
パリ左岸にある「学生の街」と呼ばれるカルチエ・ラタンは、ソルボンヌ大学を中心に5区と6区にまたがるエリアを指します。
かつてヨーロッパ各地から集まってきた学生たちの講義がラテン語で行われていたことから、「カルチエ・ラタン=ラテン地区」と呼ばれるようになりました。
アカデミックな雰囲気が漂うエリアで、フランスを代表する名門校が名を連ねます。
カルチエラタンのシンボルであるサン・ミッシェル広場は、若者たちの待ち合わせスポットとして人気で、いつもたくさんの人が集まっている活気のあるエリア。
学生の街だけあって、書店や映画館が多いのも特徴です。
このページでは、パリのカルチェラタン(5区と6区)について紹介します。
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このページのもくじ
1. 全スポット一覧
2. 観光スポット地図
3. 5区、6区の治安と注意点
4. 穴場スポット8選
カルチェラタンの全観光スポット一覧
※観光スポット名をタップすると詳しい記事へジャンプします
美術館・博物館
- 国立自然史博物館
- クリュニー中世美術館
教会・モスク
- サンテティエンヌ・デュ・モン教会
- グラン・モスケ・ド・パリ
公園・レジャー
- パリ植物園
- パリ植物園付属動物園
お墓
グルメ・ショッピング
- ムフタール通り
カルチェラタン界隈(パリ5区、6区)の治安
カルチェラタンはソルボンヌ大学だけではなく、名門校がそろうパリの学生街。
庶民的でありながらもおしゃれでゆったりと過ごすことができるおすすめエリアで比較的治安の良い場所です。
パンテオン近くにお気に入りのホテルがあり、夜遅くひとり歩きをすることもありましたが、他のエリアと比較しても危険な空気はありませんでした。
しかしここはパリ、油断は禁物!
ブランドや高級品を購入した後はメトロは使わずタクシーでホテルに戻るか、ショッピングバッグに入れ替えて移動することを強くおすすすめします!!
パリの治安については「パリ旅行の治安情報|在住者が教えるスリ・詐欺の手口と対策・撃退方法」でさらに詳しく紹介しています。
できれば行きたいカルチェラタンの穴場スポットおすすめ8選
カルチェラタンは滞在が短ければあえて足を運ぶ必要はありません。
いわゆるエッフェル塔や凱旋門、ルーブル美術館のようなパリの花形観光スポットはないからです。
しかし、穴場スポットとしてはとても優秀。特に子連れの方におすすめしたい植物園や博物館がそろっている教育エリアになります。
散歩するだけでも楽しいので、ぜひここで紹介する8つのスポットを参考にまわってみてくださいね!
パンテオン Panthéon

カルチエ・ラタンには、パリで最も標高の高い丘があります。丘の上には、壮麗な新古典主義建築のパンテオンが佇みます。

もともとこの丘には、聖ジュヌヴィエーヴを祀ったジュヌヴィエーヴ教会がありましたが、18世紀にルイ15世の病気回復を祝って再建されました。
巨大なドームが印象的なパンテオンは、長さ110m、幅82m、高さ83mの新古典主義建築の建物です。
コリント式の列柱回廊のあるファサードには、「祖国が感謝を捧げる偉人へ」という碑文が刻まれています。
1791年にパンテオンは、「フランスに貢献した偉人たちの霊廟」として利用されることが決まりました。
ヴォルテールをはじめ、ジャン・ジャック・ルソー、マリー・キュリー、ヴィクトル・ユーゴーなど、地下にはたくさんの偉人たちが埋葬されています。
パンテオンの中に入ると真っ先に目に飛び込んでくるのが、地球の自転を証明した「フーコーの振り子」。

パンテオンはフーコーの振り子の実験が行われた場所で、ドーム(丸天井)の下には球体が吊るされ、ゆっくりと動いています。
ドーム内部には、聖ジュヌヴィエーヴの生涯を描いた「シャヴァンヌの壁画」を見ることができます。

また地下納骨堂も見学することができ、栄誉を称えられた78人がここに眠ります。

サンテティエンヌ・デュ・モン教会 Église St-Etienne du Mont
サンテティエンヌ・デュ・モン教会は、聖ジュヌヴィエーヴの丘に建つ教会で、ちょうどパンテオンの裏手にあります。
ゴシック様式とルネッサンス様式が見事に融合した建築で、美しいステンドグラスをもつ教会です。
教会内部には「jubé」と呼ばれる仕切りがあり、この教会の特徴となっています。
ジュベは、教会の内陣と身廊の間にあり木や石で作られています。聖職者と参拝者を分けるためのものだそう。
16世紀になると、多くの教会でジュベが取り除かれるようになり、現在パリの教会でジュベが残っているのは、サンテティエンヌ・デュ・モン教会だけ。
サンテティエンヌ・デュ・モン教会には、パリの守護聖女ジュヌヴィエーヴ(パトロンヌ)聖女の聖遺物が納められているほか、思想家パスカルや劇作家ラシーヌも埋葬されています。
パリ植物園 Le Jardin des plantes

パリ植物園は、1635年にルイ13世の主治医によって「王立薬草園」として作られました。
フランス革命後、この王立植物園は一般公開され、1793年に国立自然史博物館(Muséum national d’Histoire naturelle)と植物園付属動物園(Ménagerie)が開館しました。
ほかにも植物園内には、4棟からなる以下の施設もあります。
- 大温室グランド・セール(Grades Serres du Jardin des Plantes)
- 鉱物学地質学展示館(Galerie de Minéralogie et de Géologie)
- 歴史資料館(Cabinet d’histoire du Jardin des Plantes)
植物園の中央にはフランス式庭園が広がり、週末になると家族連れで賑わいます!
まさにパリのオアシスと言えるゆったりとした場所ですよ♡
パリ植物園付属動物園 Ménagerie
photo by Andy Hay
1793年に開園した植物園付属動物園は、パリ植物園内に併設された世界最古の動物園の1つと言われています。
5.5ヘクタールと動物園としては小規模ながらも、およそ1200の動物を飼育。
貴重な動物も多く、時間に余裕のある方や子連れの方におすすめのスポットです。
国立自然史博物館 Muséum national d’ histoire naturelle

1793年に設立された国立自然史博物館は、パリ植物園の中にあります。
以下の4つのギャラリーを総称して国立自然史博物館といいます。
- 「進化の大ギャラリー(Grande Galerie de l’évolution)」
- 「古生物学のギャラリー(Galerie de Paléontologie)」
- 「比較解剖学のギャラリー(Galerie d’Anatomie comparée)」
- 「鉱物学と地質学のギャラリー(La galerie de minéralogie et de géologie)」
「進化の大ギャラリー」のコレクションは7000種にものぼり、剥製を使ったダイナミックな動物の進化過程の展示には圧倒されます!
また恐竜やマンモスの化石が展示された「古生物学のギャラリー」や膨大な数の骨の標本が並ぶ「比較解剖学のギャラリー」、
鉱物の標本・巨大水晶・王室の宝石コレクションなどが展示された「鉱物学と地質学のギャラリー」など、
フランス自然科学の知の宝庫ともいえる興味深い博物館になっています。
グラン・モスケ・ド・パリ Grande Mosquée de Paris

グラン・モスケ・ド・パリは、パリにいながらにして異国情緒味わえる場所。
いつもと違ったパリを味わいたい方におすすめのスポットです!
第一次世界大戦でフランスのために戦ったイスラム教兵士を称えるため、フランス政府の援助により建てられました。
モスクは礼拝所などの一部を除き、見学が可能です。入り口は、「ミナレット」と呼ばれる高さ33mの四角い塔が目印です。
モスクの中に足を踏み入れると、別世界が広がります。回廊に囲まれたイスラム式庭園やモザイク模様の壁、美しいパティオなど、イスラムの美しい建築様式や装飾が楽しめます。
同じ敷地内にはサロン・ド・テもあり、名物の甘いミントティーとオリエンタルなお菓子が楽しめますよ。
またレストランやハマムも併設。レストランでクスクスを楽しむのもよし、ハマムでリフレッシュするのもいいですね。
ムフタール通り Rue Mouffetard
「パリの胃袋」と呼ばれるムフタール通りには、常設のマルシェをはじめ、チーズやワインの専門店、パン屋、パティスリー、肉屋、魚屋、八百屋などが軒を連ねています。
下町のような雰囲気を残したムフタール通りは、パリのグルメ通りのひとつで、パン屋の「Le Boulanger de Monge」やパティスリーの「Carl Marletti」などの人気店もあります。
またムフタール通りやその周辺には、フランス料理はもちろん、レバノン料理、ギリシア料理、ベトナム料理、中華料理、日本料理など、さまざまな国のレストランが集まります。
美味しいお店で食べたい時はGoogleマップでレビューをみて4点以上のお店を選んだり、観光客が多い目抜き通りを避けて裏道のビストロに入るのがおすすめです。
クリュニー中世美術館 Musée de Cluny Musée national du Moyen ge Paris
クリュニー中世美術館の建物は、もともとクリュニー修道会の修道院長の別邸として建てられました。
15世紀に再建され、フランボワイヤン様式とルネッサンス様式の混合した美しい建物です。
美術館の敷地には、1世紀から3世紀にかけて作られたローマ時代の共同浴場跡があります。
約2万3000点ものヨーロッパ中世美術品が所蔵されており、中でも6枚のタピスリー「貴婦人と一角獣(La Dame à la licorne)」は、クリュニー中世美術館の最大の見どころと言えるでしょう。
6枚のタピスリーのうち5枚は、人間の五感である「視覚」、「聴覚」、「味覚」、「臭覚」、「触覚」を寓話的に表現したものといわれています。
ただ残りの1枚については謎のまま。
ほかにも、ノートルダム大聖堂やサン・ジェルマン・デ・プレ教会から移された彫刻品なども展示されており、中世時代へとタイムスリップさせてくれるでしょう!
パリの街をもっと楽しむ

パリは東京の山手線と同じくらいの広さ。
メトロやバスを使えば1日でかなりの場所をまわれますし、徒歩で散策できるスポットも沢山あります。

パリでお気に入りの過ごし方は美術館をはしごしながら、素敵なカフェで休憩をとったりスーパーでお土産を物色すること♡
このブログでは、パリで絶対行くべき人気観光スポットやフランス旅行の人気定番お土産などパリをもっと楽しむためのコツが書かれた記事を沢山紹介しています。
ぜひこの記事を参考に旅行の計画を立て楽しんでくださいね!
ガイドブック
ガイドブックはスマホやタブレットで読める電子書籍でも問題ありませんが、現地では情報の探しやすさ重視で、紙のガイドブックを1冊持っておくことをおすすめします。
フランス関連の書籍を20冊以上読んで厳選した中で、わたしたちがおすすめするガイドブックは地球の歩き方。
ツアーガイドや旅慣れた人が購入するのはやはり地球の歩き方。
全579ページはもはやガイドブックというより教科書レベル。
内容もかなり充実しており、その国の文化、歴史、生活習慣なども理解できるため、旅の満足度が格段にあがります。
20年旅を続けて痛感していますが、まったく知識がない場所だと人はなかなか感動できないものです。背景を知って初めて心に響いたという経験が何度もあります。
地球の歩き方が苦手な人におすすめしたいのは、写真が多めで読みやすい雑誌タイプのガイドブック。(るるぶやトリコガイドなど)
30日間無料で体験できるKindleUnlimitedで読めるものも多いので、サラッと立ち読みして好みのガイドブックを見つけるのも◎

またアートや文学好きの人のために「ガイドブック以外のフランス旅行をさらに楽しむためのおすすめ書籍」も作成しました。ぜひご覧ください!
シティパスを活用する
わたしは美術館好きなので、ヨーロッパのある程度の都市に行くと必ずシティパスがないか確認します。
限られた日数でパリを効率的に楽しむなら、「Paris Museum Pass」がとっても便利!
毎回チケットを買って旅行を楽しんでいます。
ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿をはじめとした、パリの主要な美術館や歴史的建造物など50ヶ所以上の施設に入場できる共通パスポート。日本で事前に購入も可能。
購入方法や使い方について詳しく解説した「パリミュージアムパスは買うべきか?料金・購入方法・入場可能場所について」は大変人気の記事です。

フランスの偉人・芸術家ゆかりの地をめぐる
自分がフランスに行くとき、こんな記事があったらいいな…を形にしました。
大好きなゴッホ、ルノアール、モネを出発点に、パリを中心としたゆかりの地スポットをまとめています。

現地ツアーに参加する
パリは治安面に不安はあるものの、個人旅行で問題なく観光できます。
わたしも大抵の場合は個人で滞在しますが、ガイド付きで周った時の経験は忘れられません。
自分では知らなかった観光スポットや豆知識など楽しいお話がたくさん聞けて、より有意義な時間を過ごすことができました。
思い出を写真に残せるフォトツアーも大変おすすめです。

パリのおすすめツアーやチケットサイトをまとめた「パリ旅行で事前に予約すべきおすすめチケット現地ツアー」もお見逃しなく!