19世紀を代表する彫刻家で、「近代彫刻の父」と称されるフランスの彫刻家オーギュスト・ロダン。
「考える人」や「地獄の門」は誰もが知っているロダンの作品ではないでしょうか。
そんな世界的彫刻家ロダンの作品は、パリの閑静な住宅街の一角にある美術館で鑑賞することができます。
このページでは、ロダン美術館について在住者の目線から行き方や見どころなどを詳しくご紹介していきます!
- ロダンの作品が好き
- 世界最高峰の彫刻を見てみたい
- ミュージアムパスを持っている
このページの目次
ロダン美術館の見どころ・観光情報

歴史
ロダン美術館は、パリ7区の閑静な住宅街にある美術館。
もともとは「ビロン館」と呼ばれる18世紀に建てられた貴族の館で、ロココ建築の美しい建物です。
ロダンはこの館を気に入り、1908年から亡くなる1917年までの9年間、邸宅兼アトリエとして使われました。
1911年にピロン館が国の所有になると、立ち退きを命じられます。
しかし1916年、ロダンは全作品と自身が収集した絵画や彫刻などのコレクションをすべて国に寄贈することにし、ビロン館を自らが希望していた個人美術館として残すことを国に提案します。
こうして1919年に「ロダン美術館」が開館したのです。残念ながら、ロダンはその完成を見ることなく1917年にこの世を去りました。
2005年に3年間の改装を経て、ロダン美術館がリニューアル・オープンをしました。

生まれ変わった展示室は、ロダンがアトリエとして使っていた当時の様子が再現されています。
ロダン美術館は見どころがたくさんありますが、日本人がまず見ておきたいのが地獄の門と考える人でしょう。
地獄の門(La Porte de l’enfer)

イタリアの詩人ダンテの「新曲」の中に登場する、地獄への入り口となる門。
その門を再現したブロンズ製のこの門は間違いなくロダンの代表作。見逃すわけにはいきません。
世界に7つあると言われ、そのうち2つは上野の国立西洋美術館、静岡県立美術館と日本でも観ることができます。
残念ながら未完で終わってしまった「地獄の門」の制作。作品を構成する群像はひとつひとつ独立した作品として評価されています。
有名な「考える人」もその一つで、地獄の門の中央で腰掛けて下を向いている様子を観ることができます。
考える人(La Penseur)

考える人は実は「地獄の門」から独立して作られた作品ということはご存知でしょうか。
「地獄の門」を見た後だと、その大きさと迫力に圧倒されます。
考える人は地獄の門の中で、熟考するロダンの姿を現したものや考えるロダン自身の姿などと言われていますが、真相は定かではありません。
「考える人」というタイトルではありますが、実際は地獄に落ちる人々を眺めている姿とも言えます。
単独で見るよりも、地獄の門を見た後に見る方が何倍も面白く、深みのある作品です。
1階展示室
1階の展示室は、第1室から第8室まで年代順に作品が展示され、作品が間近で見ることができるのも、このロダン美術館の魅力の1つ。
大聖堂

68歳晩年の作品。どうして大聖堂(カテドラル)という名前がついたのでしょう。
女性と男性の手と言われているのは、両方とも右手であり、ひとりでは完成しないものだから。

こんなユニークな展示や、壁にずらっと並ぶ石膏像。

顔や足だけ並ぶとなんとも不気味。

ロダン像や、バルザック像、ヴィクトルユーゴーの像もあり、見ごたえがすごいです。

このエリアにはたくさんの学生が腰を下ろし、デッサンを重ねていました。

これだけの展示をたっぷり観ることができるパリはなんと素晴らしい街なのでしょう。


美しい階段を上っていくと、テーマ別に作品が並べられている2階の展示室へ。
ゴッホやモネなど印象派の展示

美術品収集家でもあったロダンは、ゴッホの「タンギー爺さん」をはじめ、モネやルノワールなどの作品も所蔵していました。

そのためロダン美術館では、ロダンの作品の他に、ロダンが収集した素晴らしいコレクションも合わせて鑑賞することができます。
カミーユの展示

またロダン美術館には、ロダンのかつての恋人であり、彫刻家だったカミーユ・クローデルの作品を集めた部屋(第16室)があります。
カミーユは19歳のとき、ロダンの弟子になりました。
ロダンのもとで次第に彫刻家としての才能を発揮するカミーユ。
若く才能溢れるカミーユにロダンは衝撃を受け、2人は次第に惹かれ合い、やがて恋人関係になります。

しかしロダンには、すでに16年間連れ添う内縁の妻ローズがいました。
ロダンは、カミーユとの関係を続けながらもローズと別れることはなく、カミーユはこの三角関係に悩みます。
さらに追い討ちをかけるように、カミーユの作品は「ロダンの模倣」との批評が出ます。カミーユは失意に沈み、ロダンとの関係を断つことに・・・。
しかし精神のバランスを失ったカミーユは、総合失調症を発症し、精神病院に送り込まれてしまいます。
カミーユの症状は良くなることなく、30年間にわたって隔離され、1943年カミーユは孤独に78歳の生涯を閉じるのです。
精神を病んだカミーユは、多くの作品を自ら破壊しています。残っている作品は90点ほどで、その一部をロダン美術館で見ることができます。
この第16室には、カミーユの代表作の1つ《分別盛り》が展示されています。

老いた女性に導かれるように連れ去られる男性。そして両膝をつき、それに追いすがる若い女性の姿。
まさにカミーユ自身のおかれた関係を表現した作品です。

のちに精神を病み、精神病院へ入院したカミーユのことを知ったロダンは、心を傷めます。
ロダン美術館の建設にあたり、美術館の一室をカミーユ・クローデルに捧げるよう遺書を書き残しました。
その遺書によりカミーユの作品は戦後、ロダン美術館で展示されることになったのです。
妻ローズ亡き後、ロダンが亡くなった時、最期に残した言葉に「パリに残した若い方の妻にも会いたい」というものがあります。
ロダンとカミーユ、なんだかもの悲しい気持ちになるふたりの物語。
美しい庭園

さて美術館の外に出ると、手入れの行き届いた美しい庭園があります。
この庭園も絶対に見逃せない見どころの1つで、ご紹介した《考える人》や《地獄の門》の他にも《カレーの市民》、《バルザック像》などの巨大彫刻が展示されています。

また庭園内にはカフェがあり、テラス席で庭園を眺めながら、ドリンクや軽食が楽しめます。
ロダン美術館でアートを十分に堪能したら、ゆっくりカフェで過ごすのも贅沢な時間が味わえますよ!
ロダン美術館のお土産・ミュージアムショップ

美術館に併設されたミュージアムショップでは、アート関連の書籍がとても豊富です。
中でもロダン関連の本は、さすがの品揃え!

他にもアクセサリーやTシャツ、スカーフ、トートバッグ、食器など、お土産にピッタリなグッズが揃っています。

わたしのおすすめはリーズナブルで手軽に変えるメモ帳やマグネット!

ユーモアたっぷりの手ごろなお土産もそろうのでお見逃しなく!
ロダン美術館口コミ・レビュー
庭も館内も十分楽しめます。ショップも楽しいので、時間に余裕を持っていくのがおすすめ。庭でのんびり彫刻を観賞しながら本を読んでいる人もいます。
ゴッホのタンギー爺さんはここにあります。日本のゴッホ展とは違い、ガラガラでゆっくり見れます。メインはもちろんロダンの彫刻ですが。ウディ・アレンのミッドナイト・イン・パリに出てくる考える人のところのシーンはここです。
パリの数ある美術館の中でも評価の高い美術館です。
ルーブルやオルセーも素晴らしいのですが、少し小さな美術館をじっくり時間をかけて鑑賞するのも素敵ですね。
特に庭でゆっくりするのがおすすめの過ごし方。天気の良い日を選んでぜひ足をお運びください!
ロダン美術館の行き方・アクセス
メトロで行く
最寄り駅は、メトロ13号線Varenne駅。駅から徒歩2分とすぐなので、メトロで行くのがおすすめ。
関連記事パリの地下鉄(メトロ)の乗り方・料金支払い方法徹底ガイド
RERで行く
RERで行くなら、RER C線Invalides駅が最寄り。
ロダン美術館までは徒歩10分程なので、徒歩圏内ではありますが、メトロのVarenne駅がとても近いので、特別RERに乗る事情がなければメトロのほうが便利!
関連記事RER(高速鉄道)の乗り方・料金支払い方法徹底ガイド

ロダン美術館のチケット情報・営業時間・所要時間


入場料
ロダン美術館は、すべての展示が見られる一般入場料金と、庭園だけに入場ができる料金と2種類に分かれています。
常設展+特別展+庭園見学
- 大人 10ユーロ
- EU圏外の18〜25歳 7ユーロ
- 18歳未満 無料
- オーディオガイド 6ユーロ
※水曜日の15:00以降7ユーロ
※残念ながらオーディオガイドに日本語はありません。現在、フランス語・英語・スペイン語・中国語・ドイツ語・ポルトガル語のみになります。
- 大人 4ユーロ
- EU圏外の18〜25歳 2ユーロ
- 18歳未満 無料
ロダン美術館のチケットはGetYourGuideで事前にネット購入可。
短期間でパリを観光するならパリ・ミュージアム・パス
ロダン美術館はパリ・ミュージアム・パスを利用できる施設です。


パリミュージアムパスは優先入場に対応。
入口でパスを提示するだけで施設に入場できるので、チケット買う必要がなくなって大幅な時短になります。
期間中にパス対象の観光スポットを複数周れるなら入場料金もお得に!
例えば、2日券を購入した場合、2日間で4~5ヶ所くらい周ればお得になります。
英語やヨーロッパの言語に不安な場合は、出発前に日本の代理店で購入するのがおすすめです。
※代理店で購入する場合、日本の自宅にチケットを送ってもらうことになるので早めの購入がおすすめです
※現地に着いてからであれば、GetYourGuideで購入できます
※ハイシーズンはミュージアムパスを持っていても予約が必要な施設もあるので、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください
(過去に予約が必要だった施設 → ヴェルサイユ宮殿、サント・シャペル教会、コンシェルジュリー *ルーブル美術館は常に予約が必要です)



営業時間・定休日
パリにある美術館の多くが火曜休館ですが、ロダン美術館は月曜が休館日!
日程的に火曜日に美術館を訪れたい方にはぴったりの場所です。その分混み合うことは必至ですが・・・オルセー美術館よりはマシです。
- 営業時間
10:00-17:45(火〜日) - 定休日
月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
所要時間
駆け足でまわるなら約1時間。じっくり周るなら2時間はみておきたいところ。
ロダン美術館周辺の治安
ロダン美術館のある7区は比較的治安の良い地区ですが、エッフェル塔周辺の偽署名詐欺に注意が必要です。
署名詐欺・賭博詐欺に注意
若い女性が「英語を話しますか?」と言って近寄ってきます。署名をさせ、寄付を求めてきますが、完全な詐欺ですので注意してください。
また路上で、お金を賭けさせボールの入っているコップを当てるゲームがあります。
旅行者を信用させるため、観客役のグルがいて、その場の雰囲気を盛り上げて詐欺を行いますので、絶対に誘いに乗らないようにしましょう。
スリ対策の基本
また、パリ旅行ではスリとの遭遇が日常茶飯事です。
万が一に備えて準備しておきましょう。
たとえば
- 海外旅行保険付帯のクレカを使う
- 現金は100ユーロ以下で基本クレカ払い
- 高くても治安重視でホテルをとる
などは必須レベルでおすすめしたいです。
特にホテルの立地は身の安全を確保する意味で超重要。
わたしたちがパリで宿泊におすすめしている地域は下記の3つ。
もし金銭的に余裕があるのであれば、シャンゼリゼ通りやヴァンドーム広場あたりのホテルがおすすめです。



また、空港からホテルまでの移動はバスや電車が手軽ですが、最近はスリも増えています。せっかくの旅行が台無しにならないよう、タクシーや送迎を使うという手もあります。
特にハイブランドで買い物をした場合はケチらず安心を買いましょう。
海外旅行保険に入る
ことフランスに関しては、海外旅行保険は絶対に必要です。
毎月海外旅行へ行き、パリへ何度も渡航しているわたしですら、何度もスリに狙われました。未だに盗られていなのは運が良かっただけだと思っています。
ですので、どこの会社のどんなプランでも構いませんので、出国前にあらかじめ携行品保証が入っている保険に入っておきましょう。
わたしは、毎回入るのが手間なのと結構お金がかかってしまうという理由から、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを複数枚持って備えています。
海外旅行保険付きのクレジットカードを持っていない方は、ぜひこの機会に1枚作成されることを強くおすすめします。
特に、年会費無料で海外旅行保険自動付帯のエポスカードは作らない理由がありません。
(エポスカードというと一般的には“マルイのカード”というイメージが強いですが、実は年会費無料で海外旅行保険が自動付帯なのは他の無料カードにはない隠れた魅力。未所持の方は迷わず作って損はないですし、年会費のかかるカードに苦手意識がある方の選択肢はエポスカード一択です。)






ロダン美術館まとめ
ロダン美術館は、パリにある美術館の中では小規模ですが、非常に見応えのある美術館です。
彫刻にあまり興味のない人でも、ロダンが生み出した作品を間近で見れば、その迫力と研ぎ澄まされた感性にきっと感動するはず!
ミュージアムパスを持っている人はぜひぜひ短時間でもロダン美術館に足を運んでみてください!
ロダン美術館 | |
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住所 | 77 Rue de Varenne, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ13号線Varenne駅 RER C線Invalides駅 |
時間 | 10:00-17:45 |
定休 | 1月1日、5月1日、12月25日 |
料金 | 大人14ユーロ 18歳未満無料 ミュージアムパスOK |
HP | http://www.musee-rodin.fr/ |
チケット | ロダン美術館チケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
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