パリは人気の観光地ですが、残念なことにスリ被害が多い都市としても有名です。
安全にパリの旅行を楽しむためには、現地の治安について下調べして対策するのは必須。
被害に遭ってしまうと精神的にもせっかくの旅行が台無しになってしまうので、旅行を楽しむために防犯対策はしっかりと行いましょう。
どれだけ旅慣れてきてもわたしは万が一のため最低限の備えは欠かしません。
旅慣れていない場合は高くても治安重視でホテルをとることを強くおすすめします。
- パリの危険エリア
- スリや犯罪の手口
- 身を守るためにできること
「知っていたら防げること」って意外とたくさんあるので、ぜひ参考にしてください。
2022年の夏ころからスリが更に増えています。在住者も狙われているためより一層気を引き締めましょう。
パリ旅行の治安情報
パリに行くなら絶対頭に入れておくべきエリアの情報をまとめました。
ホテルの予約をする前に、旅の計画を立てる前に、エリアの安全情報をチェックしましょう。
危険なエリア(区)
パリは1区~20区に分けられています。

中心から時計回りの渦巻き状に1区~20区まで区分けされていて、パリの中心をセーヌ川が東から西へと流れています。
セーヌ川を境に、
セーヌ川の北側を右岸(Rive Droite)
セーヌ川の南側を左岸(Rive Gauche)
と呼ばれていて、
右岸の1, 2, 3, 4, 8区、左岸の5, 6, 7区は旅行者を狙ったスリの多い地域です。
→ なぜなら有名な観光地が多いエリアだから。
右岸の10区、17区の北側、18, 19, 20区は、治安の悪い地域です。盗難被害や傷害事件の件数が高いため、十分な注意が必要です。
→ 特に18, 19, 20区は移民が多く、貧困層が集まっているエリア。駅でいうとGare du Nord(北駅)、Gare de l’Est(東駅)が危険で有名。
10区、17~20区のエリアが身の危険を伴う危ない場所という情報はどこを調べても辿り着く情報です。用もなくフラッと立ち寄ることはおすすめできません。
テロのその後
パリ同時多発テロ後、パリでのテロを心配される方も多いですよね。
現在パリでは美術館やデパートなどの観光地に限らず、あらゆる場所の入り口で警備員による荷物検査が実施されています。
フランスはヨーロッパの中でテロが多く起こっているため、今後テロの危険性があるかないかについて断言することはできませんが、年中テロが起きているわけではありません。
多くの日本人が留学していたり、仕事や勉強のためパリで暮らしています。
パリ観光地でのスリ・詐欺・ひったくりの手口
パリの観光地には、旅行者を狙った悪質な集団がいます。
- 署名を求められて、署名をしている間にスられる
- 募金を求められて、注意がそれている間にスられる
- 時間を尋ねられて、時計を確認している間にスられる
- 落とし物しませんでしたか?と声をかけられてスられる
- なんかよくわかんないけど大声を出されて動揺している間にスられる
- メトロの出入口付近でスられる
- 子どものスリグループがいる
- 女性のスリグループがいる
嘆願書のスリ集団(署名詐欺)
エッフェル塔やルーブル美術館、チュイルリー公園、オペラ座周辺など、あらゆるパリの有名観光地に出没します。
おもに女性のスリ集団。
クリップボードとペンを持ちながら「Do you speak English?」と言って声をかけてきます。
旅行者に嘆願書を書かせて注意を逸らせているあいだに仲間が財布などの貴重品を盗んだり、嘆願書にサインをさせたあとにお金を催促してきます。
くれぐれも声をかけられて立ち止まったり、話を聞いたりしないように。
署名だけでなく、募金を求められたり、時間を尋ねられたりする似たような手口も有名です。優しい人ほど注意してください。
メトロでのスリ
パリの電車というとよく「RERが危険だ」と言われることがありますが、メトロも油断できません。危険です。
- ドアの入り口付近で盗み→すぐに降りて逃げる
- 時間を尋ねられたり、大声を出されて注意を逸らした隙に別の仲間が盗む
- 子どものスリグループ
などの犯行をよく聞きます。
メトロに乗ったらドア入り口付近で立ち止まらずに奥へ進み、常に荷物への注意を払いましょう。
また、車内ではスリだけでなく物乞いをする人も多いです。演奏して⇒お金を求めることも日常茶飯事。
もし「いい演奏だったから少しチップを渡したい」と思った場合でも、外でむやみにお財布を出すのは危険です。誰が見ているかわかりません。危ない!
観光地での物売り
エッフェル塔やルーブル美術館周辺には、違法な物売りがたくさんいます。
物売りのほとんどがアフリカ系移民。
安物の金属でできたエッフェル塔のキーホルダーなどを売り歩き、警察とのいたちごっこが続いています。
観光地での着ぐるみ・写真撮影
エッフェル塔やノートルダム大聖堂など、観光地には目立った着ぐるみや仮装をした人が「写真を撮りませんか?」と近づいてきます。
写真を撮影してしまうとお金を求められるのできっぱり断りましょう。
観光地での偽の賭け事
エッフェル塔付近で最近よくみかける詐欺。
路上で、お金を賭けさせボールの入っているコップを当てるゲームがあります。
旅行者を信用させるため、観客役のグルがいて、その場の雰囲気を盛り上げ、詐欺を行います。面白そうだと思っても絶対に誘いに乗らないようにしましょう。
積極的な物乞い
パリにいる物乞いは、街中の片隅で座り込んで寄付を待っている人だけではありません。
積極性にあふれています。
例えば
- 電車内で「寄付が欲しい」という内容の紙を配って寄付を募る人(メッセージカードのようなものを目の前の座席に置かれます)
- 電車内で寄付を呼び掛ける人(子どもを使って呼びかけたり、幼い子どもを抱きかかえて同情を誘ってきたりもする)
- 電車内で突然演奏をはじめて寄付を呼びかける人(ヴァイオリンなどの楽器演奏、生歌、カラオケなど)
メトロやRERの中で直接呼びかけられる系は、はじめて経験するとかなり驚くと思います。
でも、物乞いが寄付を要求してくる光景は珍しくはありません。
パリに滞在してメトロやRERに乗って観光するならまず間違いなく1度は遭遇します。
そしてこれが結構怖いです。
もし電車内で物乞いが回ってきたときは、周囲の現地人と同じような対応(=無視)をしましょう。
在住していて実際に遭遇した出来事
わたしがパリに在住していたころ、実際に自分の周りが遭遇した例だけでも結構ショッキングなことが多かったです。
- 友人がiPhone、iPodを盗られる
- 友人がメトロでスリ被害に遭う
- 友人がデパート前で募金・アンケートを求められる
- 子どものスリグループがスッている現場を目撃する
- すれ違いざまにコートのポケットを探られる
- 署名詐欺に声をかけられたり、追いかけられる
- 女性スリグループが捕まっているところを目撃(おぞましい叫び声で背筋がゾッとしました…)
パリの危険は他人事ではありません。
インターネットで検索するだけでもさまざまな手口のスリがあります。
日本にいると「本当にそんなことがあるの!?」と思うかもしれませんが、現地に行ってみるとウワサ通りのスリを見かけることがよくあります。
あらかじめスリのパターンを知っていると、被害に遭う前に「あ、これはスリかもしれない!」と気づくことができます。(経験談)
パリで危険な目に遭わないための安全対策
次に、パリでわたしがスリ被害や犯罪に巻き込まれないように気を付けていた防犯対策を紹介します。
ここで紹介する対策は実際にかなり気を付けていたことばかりです。大げさなことではないのでぜひ真似してください。
服装とカバン
よく言われることですが、ブランド物のバッグやお財布を持ち歩くのはおすすめできません。
貴重品はポケットにしまわず、必ずファスナー付きのカバンに入れてカバンから注意をそらさないように気を付けましょう。
また、日本のアパレルブランド特有のかわいらしいディティールの服装を着ていると、後ろ姿を見ただけで旅行者だとすぐに分かるので注意!
現地になじむ服装を心がけることも防犯につながります。
フランス人の服装については「フランス旅行の服装まとめ|季節・シーン別の最適な服装」でさらに詳しく触れています。

わたしは貴重品(財布、パスポート)を必ずセキュリティポーチへ入れるようにしています。
ファッション性はありませんが、危険を回避するにはとても有効で手放せません。
歩きスマホをしない ※iPhone気を付けて
現地で「iPhoneやiPodは高値で売れるためによく狙われる」という話を聞きました。
テーブルの上に置きっぱなしにしないのは当たり前ですが、手に持っていたとしても突然持って行かれるという話も聞きます。
歩きスマホはもちろんのこと、スマートフォンを出すときは常に警戒しましょう。
支払いはクレジットカード
フランスでは日常的な買い物をカードで支払うのが一般的です。
正確にいうとクレジットカードではなくデビットカードなのですが…
現地の人はいつもデビットカードを使って支払いをしていて、ほとんど現金を持ちません。
大きな支払いのときは銀行の小切手を使っています。
…なので!
スリは現金を持っている旅行者を狙っています。
パリでは小額の支払でもカードを使うことができるので、持ち歩く現金は最小限にし、支払にはカードを使うと安全です。
現金は50ユーロ前後。多くても100ユーロ以下がおすすめ。
ちなみに、日本円→ユーロの両替は実は海外キャッシングがお得です。現地の銀行内にあるATMで引き出せます。
海外キャッシングと聞くと抵抗があるかもしれませんが、旅慣れた人はほぼ100%海外キャッシングを使っています。

危険と言われているエリアにはわざわざ立ち寄らない
繰り返しになりますが、パリ市内には盗難被害や傷害事件の件数が高く治安が悪いと言われているエリアがあります。
特に危険なエリア
- 10, 17, 18, 19, 20区付近
- Gare du Nord(北駅)
- Gare de l’Est(東駅)
- モンマルトル付近
身の危険を伴うような治安の悪い地域には用もなくフラッと立ち寄らないことが大事。
ホテル選びは慎重に
パリのホテルを予約する場合、できるだけ治安の良い地区を選ぶことをおすすめします。
料金は高くなりますが、身の安全が一番大事。
この場合の治安の悪いは傷害事件などに発展する可能性がある地域のことです。(特に危険なエリア)
土地勘のない旅行者にとっては大変危険なので、中心部エリアにホテルを予約しましょう。
わたしたちがパリで宿泊におすすめしている地域は下記の3つ。
もし金銭的に余裕があるのであれば、シャンゼリゼ通りやヴァンドーム広場あたりのホテルがおすすめです。



パリのおすすめホテル!
- ヒルトン パリ オペラ(立地の良い外資系ホテル)
- パリ・マリオット・オペラ(立地の良い外資系ホテル)
- French Theory(コスパが良く好き!)
シャルル・ド・ゴール空港⇔パリ市内の移動に注意
パリへの旅行に行くときに必ず利用するのはシャルル・ド・ゴール空港。
空港⇔パリ市内はけっこう距離があるので
- 電車(RER)
- 直行バス
- タクシー
- 送迎
のいずれかで移動することになります。
結論からいうと、
- 予算がリ許すなら送迎・タクシーがおすすめ
- 3~4人のグループ旅行ならタクシーがお得
- 1~2人なら直行バスがお得
- 初めてのパリなら電車はおすすめしない(危険だから)
タクシーの場合
空港⇔パリ市内の料金は定額料金。
これはタクシー1台あたりの料金なので、複数で乗っても金額は変わりません
- シャルル・ド・ゴール空港⇔パリ右岸まで53ユーロ
- シャルル・ド・ゴール空港⇔パリ左岸まで58ユーロ
- チップは不要
必ずタクシー乗り場に停車している公認タクシーに乗りましょう。タクシーを装う人に声をかけられても応じてはいけません。
もう1つ気をつけなくてはいけないのが、空港⇔パリ市内間の移動中、渋滞に巻き込まれることがあります。→ 実はそれを狙ったバイク強盗が増えています!
停車しているタクシーの窓ガラスを割って、荷物を取られるという事件が多発しています。
タクシーに乗るときは、貴重品の入ったバッグなどを窓側や膝の上に置かず、外から見えないよう必ず足元に置くようにしてください。
電車の場合
RER B線は、空港⇔パリ市内を乗り換えなしで行くことができます。
料金が安いので利用する旅行者も多いですが、はじめてのパリにはまったくおすすめできません。
なぜなら、治安の悪い地域を通る電車だからです。
しかもB線の車内はお世辞にもキレイとは言えず、薄暗いし、物乞いも多いです。
結構な割合で物乞いに遭遇してしまうので、はじめてパリに来た友達は驚いて(怖がって)いました。
パリ旅行前にWi-Fiと海外旅行保険を準備しよう
フランス旅行に限らず、この2つはとても重要。
海外旅行に行くときのネット環境と海外旅行保険は絶対に必要です。
海外Wi-Fiレンタルでネット環境を整える
何か困ったことが起きたとき、ネットが使えると安心感が違います。
パリには無料でWi-Fiを使えるスポットもありますが、意外と場所が限られているのでそれだけでなんとかするのは不便。
ホテルの無料Wi-Fiも信用できません(苦笑)
関連記事パリのインターネット事情|フリーWi-Fiスポットまとめ
いざという時のために、海外Wi-Fiのレンタルをおすすめします。
友人がスリにあった時、ネットが使えて本当に助かりました。
道に迷ったり、危険情報をチェックするためにもネット環境を整えることはとても大切です。
関連記事フランス・パリで海外ポケットWiFiレンタルを選ぶ際の注意点とおすすめ商品
海外旅行保険があれば安心
実際にトラブルが起こってしまった時でも、海外旅行保険に入っていれば安心です。
万が一に備えて海外旅行保険には必ず入っておきましょう!
わたしは頻繁に旅行するため、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードをおすすめしています。
愛用しているメインカードはマリオットボンヴォイアメックス。
補償が手厚い(盗難補償50万円)上にマイルもたくさんたまるので、できればゴールドカード以上のクレカを1枚持っておくとかなり重宝します。
空港から自宅まで無料でスーツケースの宅配ができるのも神!!
とはいえ年会費が高いのでなかなか思い切りが必要かも・・・。そんな人におすすめなのが年会費永久無料のエポスカード
エポスカード
疾病・傷害治療費用 | 傷害死亡 | キャッシュレス診療 |
---|---|---|
疾病270万円・傷害200万円 | 500万円 | 〇 |
賠償責任 | 携行品損害 | 付帯 |
2,000万円 | 20万円 | 自動付帯 |
携行品損害の20万は少なめなので、高価な財布やアクセサリー、PCやiPhoneを持っていく場合は足りなくなる可能性があることは頭にいれておきましょう。
疾病、傷害治療費の200万円台はアメリカ以外であればわたしは許容範囲と考えます。
事情があってクレカを作れない人は通常の海外旅行保険でも全く問題ありません。
パリの治安まとめ
なぜわたしがここまで長々とパリでの危険対策について語るのかというと…
せっかくの楽しい旅行中にスリなどの被害に遭ってしまうと、金額の大小関係なく旅行を楽しめなくなってしまうからです。
わたしたちはパリが大好きですし、これを読んでくださっている方には安全で楽しくパリを旅行してほしいと心から願っています。
わたしのおすすめを最後にまとめます。
なにか嫌なこと・不審なことをされそうになったら「Non!」と払いのけて、即座に立ち去りましょう。
ぜひみなさんのご旅行が楽しいものになりますように♪
ココシャネルやダイアナ妃にも愛されたパリに行くすべての人達が憧れる、フランス最高峰のホテルです。
サービス、食事、設備どれをとっても申し分なく、私にとって人生最高の滞在でした。
かなり高額な宿泊代とはなりましたが、一生の思い出に1泊だけ泊まることができ悔いありません。
絶対に忘れられない滞在になること間違いなしなので1泊だけでもぜひ検討してみてください!
予算オーバーなら「ベストウエスタン プレミア デュック ドゥ ブルゴーニュ」はコスパが良くおすすめです