パリ東部にある広大なヴァンセンヌの森に佇む12世紀に建てられた古城、それがヴァンセンヌ城です。
中世の雰囲気をそのままに残した姿は日本人旅行者からも大絶賛。
パリからメトロで行ける&旅行者が少ないので、のんびりと見学できるおすすめスポット。
このページでは、遠出せずにパリで見ることのできる中世の城「ヴァンセンヌ城」の見どころをご紹介します!
- ヴァンセンヌ城に興味がある
- フランスのお城を見てみたい
このページの目次
ヴァンセンヌ城観光情報

ヴァンセンヌ城(Château de Vincennes)は、ヴァンセンヌの森の中にあるお城。
ヴァンセンヌの森はもともと王の狩猟場。12世紀にルイ7世によって、狩猟をした際の休憩所として、狩猟の館を建てたのが始まりです。
13世紀になると、フィリップ・オーギュスト(フィリップ2世)が離宮を作り、1379年には、シャルル5世によってサン・シャペル礼拝堂の建造が開始されました。

photo by David Baron
さらにフィリップ6世の時代になると、城の中央には、ドンジョンと呼ばれる天守閣が作られ、森周辺に砦が築かれ要塞化します。
このお城で結婚式を挙げた王もいました。それがフィリップ3世とフィリップ4世です。
そして14世紀の王たち(ルイ10世、フィリップ5世、シャルル4世)は、この城で生まれ、この城で生涯を閉じています。

またフランスを征服したイギリス王ヘンリー5世も同じく、1422年にヴァンセンヌ城で亡くなっています。
17世紀後半になると、王家はヴェルサイユ宮殿に移り、ヴァンセンヌ城は、多くの重要人物が収容される牢獄の役目を果たします。
そして18世紀には、ついにヴァンセンヌ城は放棄されてしまいました。
しかし1738年に、ルイ15世の愛妾であったポンパドール夫人によって、ヴァンセンヌ城内に陶器工房が設立。
1751年にフランス王立ヴァンセンヌ窯となりますが、工房が狭かったことにより、1756年にセーブルに移設されます。
つまり「セーブル窯」の前身は、「ヴァンセンヌ窯」だったのです。こうした経緯を経て、セーブル窯は、1759年にフランス王立窯に指定されます。
一方でヴァンセンヌ城は、牢獄となります。
投獄された人の中には、Marquis de SadeやNicolas Fouquet、Denis Diderot、 Honoré Mirabeauなどの歴史的著名人もいました。

1796年には、ヴァンセンヌ城は軍事品製造所になりましたが、1860年にナポレオン3世によって、パリ市民のための公共の公園として開放されます。
第二次世界大戦時のドイツ軍侵略の際には、フランス軍がヴァンセンヌ城に本部を置いています。
ヴァンセンヌ城は、こうした歴史に翻弄されながら、今でも静かに時を刻んでいます。
おすすめ観光の周り方
ヴァンセンヌ城のあるパリ12区は、有名観光スポットこそありませんが、南方面へ電車で旅行に出かける際、利用することになるリヨン駅があります。
メトロはもちろん、RER(エール・ウ・エール)やTER(テ・ウ・エル)、TGV(テ・ジェ・ヴェ)などの発着駅で、イタリアやスイス行きの電車もここから出ています。
周辺には、高架橋を利用したヴィアデュック・デ・ザール(芸術高架橋)があり、ギャラリーやアトリエが並びます。
ヴァンセンヌ城から徒歩圏内の代表的なスポットは以下の通り。
- パリ動物園
- パリ花公園
- ヴァンセンヌ公園
ぜひ併せて観光を楽しんでくださいね!
周辺には他にも見どころがあり、「パリ12区ヴァンセンヌ界隈で行きたい人気観光スポット」で詳しい歩き方の解説をしています。
↓観光地の位置関係をGoogleマップにまとめました。ぜひ活用ください。
ガイドブック
ガイドブックはスマホやタブレットで読める電子書籍でも問題ありませんが、現地では情報の探しやすさ重視で、紙のガイドブックを1冊持っておくことをおすすめします。
フランス関連の書籍を20冊以上読んで厳選した中で、わたしたちがおすすめするガイドブックは地球の歩き方。
内容もかなり充実しており、その国の文化、歴史、生活習慣なども理解できるため、旅の満足度が格段にあがります。
20年旅を続けて痛感していますが、まったく知識がない場所だと人はなかなか感動できないものです。背景を知って初めて心に響いたという経験が何度もあります。
地球の歩き方が苦手な人におすすめしたいのは、写真が多めで読みやすい雑誌タイプのガイドブック。(るるぶやトリコガイドなど)
30日間無料で体験できるKindleUnlimitedで読めるものも多いので、サラッと立ち読みして好みのガイドブックを見つけるのも◎

シティパスを活用する
わたしは美術館好きなので、ヨーロッパのある程度の都市に行くと必ずシティパスがないか確認します。
限られた日数でパリを効率的に楽しむなら、「Paris Museum Pass」がとっても便利!
ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿をはじめとした、パリの主要な美術館や歴史的建造物など50ヶ所以上の施設に入場できる共通パスポート。日本で事前に購入も可能。



短期間で複数の観光スポットを周るスケジュールでない場合は、チケットのみを事前購入するのがおすすめです。
現地でチケット列に並ぶ時間は本当にもったいないので、ぜひ事前購入を検討してみてくださいね。
現地ツアーに参加する
パリは治安の悪い場所もありますが、気を付けていれば個人旅行で問題なく観光できます。
わたしも大抵の場合は個人で滞在しますが、ガイド付きで周った時の経験は忘れられません。
自分では知らなかった観光スポットや豆知識など楽しいお話がたくさん聞けて、より有意義な時間を過ごすことができました。
日本語で予約できるベルトラ
英語や仏語でもよければGetYourGuideで安くツアーに参加できます。ぜひ一度チェックしてみてください。
ヴァンセンヌ城見どころ
ドンジョン


1369年に完成した高さ52メートルのドンジョン(天守閣)は、中世ヨーロッパの砦の中で最も高い要塞建築でした。完成後、王家の住居となりました。
現在ドンジョンは、展望台になっており、美しいヴァンセンヌの森を一望することができます。
サン・シャペル礼拝堂


サン・シャペル礼拝堂は、フランス後期ゴシックの「フランボワイヤン様式」で建てられています。半曲線を描いたアーチの美しい建築様式です。
1379年にシャルル5世によって、パリのシテ島にあるサン・シャペル礼拝堂に倣って作らせたもので、完成までに173年もの歳月を要しました。
ヴァンセンヌ城 口コミ・レビュー
欧州のお城というと交通の便が悪い場所にあるのですが、ここは地下鉄の駅からすぐ。しかも、旅行者も少ないお城で、その割には整備もきちんとしていて雰囲気も上々。売店もあるし、いたれりつくせり。有料ガイドもいますし、ガイドをつけずに自分のペースで歩いていくのもまたいい。池もあって、どこを撮っても絵になるお城です。実に気に入りました。(トリップアドバイザーより引用)
旅行者が少なく見学しやすかったという口コミが多かったです♪
ヴァンセンヌ城への行き方・アクセス・最寄り駅
住所:1 avenue de Paris, 94300 Vincennes
メトロで行く
最寄り駅は、メトロ1号線Château de Vincennes駅。
メトロの出口から出ると、目の前にヴァンセンヌ城が。徒歩1分程です。
関連記事パリの地下鉄(メトロ)の乗り方・料金支払い方法徹底ガイド



ヴァンセンヌの城の入場料金・営業時間・所要時間
入場料金
- 大人9ユーロ
- 18歳以下無料
ヴァンセンヌ城のチケットはGetYourGuideで事前にネット購入可。
短期間でパリを観光するならパリ・ミュージアム・パス
ヴァンセンヌ城はパリ・ミュージアム・パスを利用できる施設です。


パリミュージアムパスは優先入場に対応。
入口でパスを提示するだけで施設に入場できるので、チケット買う必要がなくなって大幅な時短になります。
期間中にパス対象の観光スポットを複数周れるなら入場料金もお得に!
例えば、2日券を購入した場合、2日間で4~5ヶ所くらい周ればお得になります。
英語やヨーロッパの言語に不安な場合は、出発前に日本の代理店で購入するのがおすすめです。
※代理店で購入する場合、日本の自宅にチケットを送ってもらうことになるので早めの購入がおすすめです
※現地に着いてからであれば、GetYourGuideで購入できます
※春から夏にかけてのハイシーズンは1ヶ月前の予約を推奨しています。ハイシーズンはミュージアムパスを持っていても予約が必要な施設もあるので、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください
(過去に予約が必要だった施設 → ヴェルサイユ宮殿、サント・シャペル教会、コンシェルジュリー *ルーブル美術館は常に予約が必要です)



営業時間
- ドンジョン
10:00-17:00 (9月23日〜5月20日)
10:00-18:00 (5月21日〜9月22日) - サン・シャペル礼拝堂
10:30, 13:00 14:00, 16:30 (9月22日〜5月20日)
10:30, 13:00 14:00, 17:30 (5月21日〜9月21日) - ブティック
10:00-17:00(ローシーズン)
10:00-18:00(ハイシーズン)
定休日
1月1日, 5月1日, 12月25日
所要時間
所要時間は1~2時間程度。
ヴェルサイユ宮殿のように混雑することが少ないので、ゆっくりと見学できます。
ヴァンセンヌ城周辺の治安
ヴァンセンヌの森および観光スポット周辺は、観光地というよりは住宅街のイメージ。
パリ市内の中では比較的安全ですが、人気のない場所や朝早い時間帯、または夜遅い時間帯は十分注意が必要です。
また女性同士でヴァンセンヌの森へ行く場合には、周りに注意して行動してください。
スリ対策の基本
このエリアに限った話ではありませんが、パリ旅行ではスリとの遭遇が日常茶飯事です。
万が一に備えて準備しておきましょう。
たとえば
- 海外旅行保険付帯のクレカを使う
- 現金は100ユーロ以下で基本クレカ払い
- 高くても治安重視でホテルをとる
などは必須レベルでおすすめしたいです。
特にホテルの立地は身の安全を確保する意味で超重要。
わたしたちがパリで宿泊におすすめしている地域は下記の3つ。
もし金銭的に余裕があるのであれば、シャンゼリゼ通りやヴァンドーム広場あたりのホテルがおすすめです。



また、空港からホテルまでの移動はバスや電車が手軽ですが、最近はスリも増えています。せっかくの旅行が台無しにならないよう、タクシーや送迎を使うという手もあります。
特にハイブランドで買い物をした場合はケチらず安心を買いましょう。
海外旅行保険に入る
ことフランスに関しては、海外旅行保険は絶対に必要です。
毎月海外旅行へ行き、パリへ何度も渡航しているわたしですら、何度もスリに狙われました。未だに盗られていなのは運が良かっただけだと思っています。
ですので、どこの会社のどんなプランでも構いませんので、出国前にあらかじめ携行品保証が入っている保険に入っておきましょう。
わたしは、毎回入るのが手間なのと結構お金がかかってしまうという理由から、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを複数枚持って備えています。
海外旅行保険付きのクレジットカードを持っていない方は、ぜひこの機会に1枚作成されることを強くおすすめします。
特に、年会費無料で海外旅行保険自動付帯のエポスカードは作らない理由がありません。
(エポスカードというと一般的には“マルイのカード”というイメージが強いですが、実は年会費無料で海外旅行保険が自動付帯なのは他の無料カードにはない隠れた魅力。未所持の方は迷わず作って損はないですし、年会費のかかるカードに苦手意識がある方の選択肢はエポスカード一択です。)






ヴァンセンヌの城まとめ
さまざまな歴史を経て現在に至るヴァンセンヌ城。
パリ郊外にあるヴェルサイユ宮殿などに比べると、きらびやかな装飾もなく、とても素朴ですが、パリ中心部からのアクセスも良く、中世のお城を見たい方におすすめのスポットです!
ヴァンセンヌ城 | |
---|---|
住所 | Avenue de Paris, 94300 Vincennes 地図 |
最寄り | メトロ1号線Château de Vincennes駅 |
HP | http://www.chateau-de-vincennes.fr/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
ココシャネルやダイアナ妃にも愛されたパリに行くすべての人達が憧れる、フランス最高峰のホテルです。
サービス、食事、設備どれをとっても申し分なく、私にとって人生最高の滞在でした。
かなり高額な宿泊代とはなりましたが、一生の思い出に1泊だけ泊まることができ悔いありません。
絶対に忘れられない滞在になること間違いなしなので1泊だけでもぜひ検討してみてください!
予算オーバーなら「ベストウエスタン プレミア デュック ドゥ ブルゴーニュ」はコスパが良くおすすめです