カミーユ・ピサロは、印象派の中心的な画家の1人です。
温厚な性格から人望が厚く、印象派のメンバーより10歳以上年が離れていたことから若い世代の画家たちにも慕われました。
晩年はジョルジュ・スーラやポール・シニャックらとともに新印象主義を追求し、点描画なども制作。
日本ではやや知名度が低いかもしれませんが、人気の画家モネやセザンヌとも縁が深く、調べて行くと必ずピサロの名前に辿りつくと思います。
当ブログ「フランスボックス」では、そんな印象派および新印象派のまとめ役、画家カミーユ・ピサロゆかりの地をご紹介していきましょう。
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このページの目次
カミーユ・ピサロ(Camille Pissarro)とは?
ジャコブ アブラハム カミーユ ピサロ(Jacob Abraham Camille Pissarro) | |
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出没年 | 1830年7月10日-1903年11月13日 73歳で前立腺の感染症により死去 |
様式・流派 | 印象派、新印象派 |
出身 | デンマーク領(カリブ海セント・トーマス島) |
代表作 | 《赤い屋根、村のはずれ、冬》オルセー美術館 《モンモランシーの風景》オルセー美術館 《モンマルトル大通り》メトロポリタン美術館 |
影響を受けた人物 | カミーユコロー、クロードモネ、ギュスターヴクールベ、フランソワミレー、ジョルジュスーラ |
影響を与えた人物 | ポールセザンヌ、ポールゴーギャン |
幼少期
カミーユ・ピサロは、1830年7月10日にデンマーク領セント・トーマス島(現在のアメリカ領ヴァージン諸島)生まれ。
両親は金物屋を営む両親のもと、4人兄弟の三男として誕生しました。
1842年から5年間、パリの寄宿学校に通学。
帰郷後は、家業を手伝っていましたが、20歳のときに画家Fritz Melbyeに出会い、1852年から1854年にかけてメルビューに同行してベネズエラへ旅にでかけました。
1855年、画家を志すことを決めたピサロは、父を説得してパリに移り住みます。
芸術キャリア
同年、パリで開催されていた万国博覧会で、風景画家のCamille Corotや写実主義画家のGustave Courbet、バルビゾン派のJean François Milletの作品に強く感銘を受けます。
とりわけコローに大きな影響を受けたピサロは、戸外で絵を描くように。
1859年、画塾Académie Suisseに入門し、そこでClaude MonetやPaul Cézanneらと知り合います。
同年のサロン・ド・パリに出品した作品《モンモランシーの風景 Paysage à Montmorency》で初入選。
1863年、Édouard Manetが《草上の昼食 Le Déjeuner sur l’herbe》で一大スキャンダルを巻き起こした落選展に、ピサロは風景画3点を出品します。
この参加をきっかけにマネと親しくなり、マネを中心としたバティニョール派と呼ばれる若手画家たちとカフェ・ゲルボワに集まり、親交を深めました。
バティニョール派のメンバーは、のちに「印象派」と呼ばれるようになります。
錚々たるメンバーですね。
- オットー・ショルデラー(画家)
- エドゥアール・マネ(画家)
- オーギュスト・ルノワール(画家)
- ザガリー・アストリック(写真家)
- エミール・ゾラ(小説家)
- エドモン・メートル(音楽家)
- フレデリック・バジール(画家)
- クロード・モネ(画家)
1864年のサロンで《マルヌ川のほとり》と《カシャラの道、ラ・ロッシュ・ギヨン》、
1865年のサロンで《シュヌヴィエール、マルヌ川のほとり》と《水辺》、
1866年のサロンで、《マルヌ川のほとり、冬》、1868年のサロンで《ジャレの丘》と《エルミタージュ》がそれぞれ入選。
1869年からパリ郊外のLouvecienneに住み、モネやAlfred Sisley、Pierre Auguste Renoirと一緒に戸外制作を行い、次第に明るい色調の絵を描くように。
同年のサロンで《エルミタージュ》が入選し、ピサロの最後のサロンとなった1870年のサロンでは、《秋》と《風景》が入選しました。
1870年、普仏戦争が勃発すると、ロンドンに避難。
そこで画商Paul Durand Ruelと知り合い、制作の支援を受けるようになります。
戦後ルーヴシエンヌの自宅に戻りますが、その1年後にポントワーズに移住。
ピサロのもとにはセザンヌやPaul Gauguinらが集まり、ポントワーズ派と呼ばれました。
1871年、Julie Vellayと結婚。
早世した2人を含め、8人の子供に恵まれました。そのうち5人の息子たちは、ピサロと同じく画家の道に進みます。
1874年モネらと独自のグループ展を計画し、第1回印象派展を開催。
印象派展は1874年から1886年にかけて全8回開催されましたが、ピサロはすべての印象派展に作品を出品した唯一の画家でした。
ピサロは、Georges SeuratとPaul Signacなど若い世代(新印象派)とともに印象派の発展に貢献しますが、これが内部分裂を引き起こし、1886年の第8回印象派展を最後に解散。
1883年、画商ポール・デュラン・リュエルが新しく開いた画廊で、ピサロの初個展が開かれました。70点の作品が展示され、成功に終わりました。
1893年以降、パリをはじめ、ルーアン、ディエップ、ル・アーヴルなど都市をテーマにした連作にも挑戦。
1894年に起きたドレフュス事件(反ユダヤ主義による陰謀事件)が原因で、長年の友人エドガー・ドガやオーギュスト・ルノワールと絶縁。
晩年は目の病気により屋外での製作が難しく、ホテルの高層階へ泊まり窓際から景色を描きました。
1903年11月13日、ピサロは73年で人生の幕を閉じます。残した油彩画は1316点、版画は200点にものぼりました。
カミーユ・ピサロゆかりの地ベストシーズン
フランスのベストシーズンは1年中と言っても過言ではありません。
どの季節も素晴らしいのですが、お墓参りやパリの街を散策するなら気候の良い春から秋にかけてがおすすめです。
4月~10月までは営業時間が延びる施設が多く、多くのスポットを観光することができますよ!
美術館巡りであればあえて空いているオフシーズンの冬でも全く問題ありません。
カミーユ・ピサロゆかりの地5選
①ルーブル美術館(Musée du Louvre)
世界最大級の規模を誇るルーブル美術館は、古代から1800年代前半まで48万点以上の芸術作品を所蔵する国立美術館です。
ユネスコの世界遺産にも登録され、世界中から観光客が訪れるパリ屈指の観光名所。
印象派の絵画コレクションはオルセー美術館に劣りますが、有名画家の名作が揃うルーブル美術館は、一度は訪れておきたいものです!
1877年に制作されたカミーユ・ピサロの《ポントワーズの通路 Paysage à Pontoise》、《エラニーの水飲み場 L’abreuvoir》は、ルーブル美術館が所蔵しています。
ルーブル美術館 | |
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住所 | Rue de Rivoli, 75001 Paris 地図 |
最寄り | メトロ1号線,7号線Palais-Royal-Musée du Louvre駅 |
時間 | 9:00-18:00(月・水・木・土・日) 9:00-21:45(金) ※閉館時間の45分前まで入場可能 |
定休 | 毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日 |
料金 | 22ユーロ 18歳以下無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.louvre.fr/ |
チケット | ルーブル美術館のチケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
②オルセー美術館(Musée d’Orsay)
オルセー美術館は、1848年から1914年までの美術作品を中心に展示された美術館で、所蔵する印象派コレクションは世界的に有名です。
エドゥアール・マネ、ピエール・オーギュスト・ルノワール、クロード・モネ、エドガー・ドガなど印象派の名作を鑑賞することができます。
カミーユ・ピサロの作品は、サロン・ド・パリで初入選した作品《モンモランシーの風景 Paysage à Montmorency》をはじめ、《ポントワーズの花咲く菜園、春》、《赤い屋根、村のはずれ、冬》、《緑のスカーフの女》、《赤い屋根、ポントワーズのサン・ドニの丘、冬の効果》、《ヴォワザン村の入口》、《セーヌ川とルーブル宮殿》、《自画像》などが所蔵されています。
オルセー美術館 | |
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住所 | 1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ12号線Solférino駅 |
時間 | 9:30-18:00(火水金土) 9:30-21:45(木) ※閉館時間の45分前まで入場可能 |
定休 | 毎週月曜日、5月1日、12月25日 |
料金 | 16ユーロ 18歳以下無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.musee-orsay.fr/ |
チケット | オルセー美術館チケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
③マルモッタン・モネ美術館(Musée Marmottan Monet)
パリ16区の閑静な住宅街にひっそりと佇むマルモッタン・モネ美術館は、世界最大級のクロード・モネのコレクションを所蔵する印象派美術館。
美術収集家Paul Marmottanによりコレクションと邸宅が寄贈され、1934年に一般公開されました。
「印象派」という名前の由来にもなったクロード・モネの作品《印象・日の出 Impression, soleil levant》をはじめ、カミーユ・ピサロの《雪の大通り Les Boulevards Exterieurs》など、印象派画家たちの名作が揃います。
いつも混雑しているオルセー美術館やオランジュリー美術館に比べ観光客が少ないため、ゆっくりと作品の鑑賞ができるのでかなりおすすめ!
美術館があまり得意でない人にもぜひ足を運んで欲しいとっておきの美術館。
詳しい情報に関しては「マルモッタンモネ美術館の行き方・営業時間・見どころ徹底ガイド」にまとめています。
マルモッタン・モネ美術館 | |
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住所 | 2 Rue Louis Boilly, 75016 Paris 地図 |
最寄り | メトロ9号線La Muette駅 |
時間 | 10:00-18:00(火-水、金-日) 10:00-21:00(木) ※最終入場時間 閉館30分前まで |
定休 | 毎週月曜日、1月1日、5月1日、12月25日 |
料金 | 14ユーロ 18歳以下9ユーロ |
HP | http://marmottan.fr |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
④ルーアン美術館(Musée des Beaux-Arts de Rouen)
フランス北部に位置するノルマンディー地方のルーアンは、かつて旧ノルマンディー公国の首都として栄えた街。
ジャンヌダルクゆかりの地としても有名です。ノルマンディー地方は、印象派の画家たちに愛された場所で、ルーアンもその1つ。
「ルーアン派」と呼ばれる一派もここから生まれました。1801年に開館したルーアン美術館は、フランス国内でも指折りの印象派コレクションを所蔵する美術館で、カミーユ・ピサロの作品《ルーアンのボワエルデュー橋、日没、霧》を見ることができます。
ルーアン美術館 | |
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住所 | Esplanade Marcel Duchamp, 76000 Rouen 地図 |
行き方 | パリのサンラザール駅(Gare Saint-Lazare)からルーアン右岸駅(Rouen Rive Droite)で下車。所要時間は約1時間〜1時間30分。 |
時間 | 10:00-18:00(水-月) |
定休 | 毎週火曜日、1月1日、5月1日、7月14日、8月15日、11月1日、11月11日、12月25日 |
料金 | 常設展無料 |
HP | https://mbarouen.fr/fr |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
④カミーユ・ピサロ美術館(Musée Camille Pissarro)
パリの北西約40㎞に位置するポントワーズは、セーヌ川支流のオワーズ川が流れる美しい街です。
1872年から1882年まで、ピサロはポントワーズのオワーズ川のほとりに住みます。
ポントワーズ近郊に住んでいたセザンヌと交流し、イーゼルを並べて一緒に制作し、互いに影響し合いました。
ピサロのもとには、ポール・ゴーギャンやArmand Guillaumin、Ludovic Pietteといった画家たちも集まってきて、彼らは「ポントワーズ派」と呼ばれるように。
カミーユ・ピサロ美術館では、ピサロの作品はもちろん、ピサロの息子で画家のLucien、Ludovic-Rodo、Georges、Félix、そしてピサロの友人ポール・シニャック、ルドヴィック・ピエットなどの作品も展示されています。
カミーユ・ピサロ美術館 | |
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住所 | 17 rue du château, 95300 Pontoise 地図 |
行き方 | パリのSaint-Lazard駅からPontoise駅で下車。所要時間は約1時間。 |
時間 | 10:00-12:20 / 13:30-18:00 |
定休 | 月曜日 |
料金 | 7ユーロ 18歳以下無料 |
HP | https://www.ville-pontoise.fr/article/musees-pontoise |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
⑤ペール・ラシェーズ墓地(Cimetière du Père-Lachaise)
パリ20区にあるペール・ラシェーズ墓地は、作家や芸術家など多くの著名人が眠るパリ三大墓地の1つ。
中心部から少し離れたところにありますが、フランスの文化や歴史に名を残した人々のお墓を参拝するため世界中からたくさんの人が訪れます。
73歳でこの世を去ったカミーユ・ピサロもまた、このペール・ラ・シェーズ墓地に静かに眠っています。
- フランスを代表するシャンソン歌手
エディット・ピアフ - イタリア出身の俳優・シャンソン歌手
イヴ・モンタン - アイルランド出身の作家・劇作家・詩人
オスカー・ワイルド - イソップ寓話で有名なフランスの詩人
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ - フランスのロマン主義を代表する画家
ウジェーヌ・ドラクロワ - フランスの文豪
オノレ・ド・バルザック - 長編小説「失われた時を求めて」
マルセル・プルースト - オペラの女王・ソプラノ歌手
マリア・カラス - エコール・ド・パリを代表する画家
アメデオ・モディリアーニ - ロマン派を代表する作曲家
フレデリック・ショパン - 印象派の画家
カミーユ・ピサロ - 画家・絵画収集家
ギュスターヴ・カイユボット - オペラ《カルメン》の作曲家
ジョルジュ・ビゼー - フランス6人組・作曲家
フランシス・プーランク - オペラ《セビリアの理髪師》の作曲家
ジョアキーノ・ロッシーニ - バルビゾン派の画家
カミーユ・コロー - 画家
ジョルジュ・スーラ - 新古典主義の巨匠
ドミニク・アングル - 新古典主義の画家
ジャック=ルイ・ダヴィッド - 女性前衛画家
マリー・ローランサン
詳しい情報に関しては「ペールラシェーズ墓地の行き方・営業時間・見どころ徹底ガイド」にまとめています。
ペール・ラシェーズ墓地 | |
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住所 | 16 Rue du Repos, 75020 Paris 地図 |
最寄り | メトロ2号線Philippe Auguste 駅 |
時間 | [11月-3月中旬] 8:00-17:30(月~金) 8:30-17:30(土) 9:00-17:30(日・祝) [3月中旬-10月] 8:00-18:00(月~金) 8:30-18:00(土) 9:00-18:00(日・祝) |
定休 | ー |
料金 | ー |
HP | https://pere-lachaise.com/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
カミーユ・ピサロゆかりの地まとめ
印象派の中で最年長で中心的存在だったカミーユ・ピサロは、前期印象派と後期印象派の両方に貢献した美術史において重要な人物。
「バルビゾン派」の画家たちの影響を受けた農村風景から始まり、印象派を経て、点描の技法に感化され、新印象派の画家として変化を遂げました。
風景画や都市風景画、肖像画などをありのままに描き、ピサロの温厚な性格を感じさせるような温かみのある作品を数多く残しています。
パリのホテル選びは本当に難しく、日本と違って価格と質が一致しないことも多いため、あらかじめ、情報をインプットしておくのがおすすめです!
当ブログ「フランスボックス」ではパリ在住者が教えるホテルの選び方と安全でコスパの良いおすすめエリアでホテルに関する注意点や知っておきたい情報をまとめました。
日本人に最も人気のエリアで、わたしたちもおすすめするオペラ座周辺のホテルについてもぜひご覧いただけると嬉しいです!
予算はどれくらいかかっても一流ホテルに泊まりたいという方は、パレスホテルの代表、オテルリッツをおすすめします。
ココシャネルやダイアナ妃にも愛されたパリに行くすべての人達が憧れる、フランス最高峰のホテルで、サービス、食事、設備どれをとっても申し分なく、私にとって人生最高の滞在でした。
かなり高額な宿泊代とはなりましたが、一生の思い出に1泊だけ泊まることができ悔いありません。
ヴァンドーム広場が目の前で、オペラ座までも500mと観光するにも抜群の立地。
絶対に忘れられない滞在になること間違いなしなので1泊だけでもぜひ検討してみてください!