19世紀フランスのロマン主義を代表する画家といえば、ウジェーヌ・ドラクロワ。
豊かな色彩とドラマチックな描写で独自の世界を作り出しました。
代表作に《民衆を導く自由の女神》や《キオス島の虐殺》などがあります。
晩年、ドラクロワは壁画を制作するため、サン・シュルピス教会近くのアパルトマンに移り住み、12年もの歳月をかけて完成させました。
そしてアトリエ兼自宅だった場所は、ドラクロワの死後、美術館として生まれ変わりました。
このページでは、現在ルーブル美術館の分館として公開されている国立ウジェーヌ・ドラクロワ美術館についてご紹介していきます。
日本人が見落としがちな観光の注意点・周辺の治安についても詳しく記載しています。ぜひ最後までご覧ください!
- ドラクロワゆかりの地に興味あり
- ミュージアムパスを持っている
- 周辺の治安が気になる
パリ観光におすすめ!!
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このページの目次
ウジェーヌ・ドラクロワ美術館観光情報
国立ウジェーヌ・ドラクロワ美術館(Musée National Eugène Delacroix)は、ドラクロワが1857年から1863年までアトリエ兼自宅として使っていた場所です。
サン・シュルピス教会の壁画を仕上げるため、ドラクロワはサン・ジェルマン・デ・プレ界隈のこの場所に移り住みました。
ドラクロワの死後、アトリエの解体が計画されましたが、Maurice DenisやPaul Signac、Édouard Vuillardなどの画家たちが結成した「ウジェーヌ・ドラクロワ友の会」により免れ、1971年に国立ウジェーヌ・ドラクロワとして開館しました。
2004年にはルーブル美術館と併合し、ルーブル美術館の分館として公開されました。
ウジェーヌ・ドラクロワ美術館はパリミュージアムパス対象スポット
あらかじめパスを持っていれば混雑しているチケット売り場に並ぶ必要がありません。
さらに、期間中にパス対象スポットを複数周れるなら入場料金が割安に!
2日券を購入した場合
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パス対象の観光スポットには美術館を中心に、宮殿や教会も多数含まれているので、観光スポットをたくさん周りたい方にぴったりです。
ただし、短期間で複数の観光スポットを周るスケジュールでない場合は、チケットのみを事前購入するのがおすすめです。
現地でチケット列に並ぶ時間は本当にもったいないので、ぜひ事前購入を検討してみてくださいね。
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※2025年7月1日まで / 割引上限1,000円
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※春から夏にかけてのハイシーズンは1ヶ月前の予約を推奨しています。
ハイシーズンはミュージアムパスを持っていても予約が必要な施設もあるので、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
(過去に予約が必要だった施設 → ヴェルサイユ宮殿、サント・シャペル教会、コンシェルジュリー *ルーブル美術館は常に予約が必要です)
おすすめ観光の周り方
ドラクロワ美術館のあるパリ6区は、お洒落エリアといわれるサン・ジェルマン・デ・プレ。
パリ最古の教会といわれる「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」を中心とした洗練された雰囲気のあるエリアで、有名な美術学校「パリ国立高等美術学校(École des Beaux-Arts)」もあります。
歴史ある老舗カフェが立ち並び、なかでもカフェ・ド・フロール、レ・ドゥ・マゴ、ブラスリー・リップの3つには、ジャン・ポール・サルトルをはじめ、多くの文化人たちのたまり場でした。
お洒落なブティックも多く、ぶらぶらと街歩きをするのが楽しいエリアです!
ドラクロワ美術館から徒歩10分圏内の代表的なスポットは以下の通り。
- サン・ジェルマン・デ・プレ教会(徒歩3分)
- パリ国立高等美術学校(徒歩5分)
- サン・シュルピス教会(徒歩7分)
- リュクサンブール公園(徒歩9分)
- ルーブル美術館(徒歩10分)
- サント・シャペル教会(徒歩13分)
ぜひ併せて観光を楽しんでくださいね!
周辺には他にも見どころがあり、「パリ6区サンジェルマンデプレ界隈で絶対行きたい人気観光スポット」で詳しい歩き方の解説をしています。
↓観光地の位置関係をGoogleマップにまとめました。ぜひ活用ください。
ウジェーヌ・ドラクロワ美術館見どころ
ドラクロワ美術館のコレクションは1000点以上にのぼり、《民衆を導く自由の女神》の習作をはじめ、絵画、デッサン、版画、ドラクロワの使っていたパレット、自筆の手紙、ドラクロワを敬愛した芸術家たちの作品などが見どころです。
絵画だけでなく、音楽や文学にも造詣が深かったドラクロワは、フレデリック・ショパンやジョルジュ・サンドとも親交があり、2人の肖像画も描いています。
死後、ドラクロワのアトリエから未完成の肖像画が見つかりましたが、2つに切り取られ別々に売り出されたため、現在、《フレデリック・ショパンの肖像》はルーブル美術館に、《ジョルジュ・サンドの肖像》はデンマークのオードロップゴー美術館(Ordrupgaard Museum)に所蔵されています。
ウジェーヌ・ドラクロワとは
ウジェーヌドラクロワ(Eugène Delacroix) | |
---|---|
出没年 | 1798年4月26日-1863年8月13日 65歳で結核性喉頭炎により死去 |
様式・流派 | ロマン派(ロマン主義) |
出身 | フランス(シャラントン・サン・モーリス) |
代表作 | 《民衆を導く自由の女神》ルーブル美術館 《サルダナパールの死》ルーブル美術館 《キオス島の虐殺》ルーブル美術館 《アルジェの女たち》ルーブル美術館 |
影響を受けた人物 | テオドールジェリコ |
ここまで来られた方はおそらく大半がドラクロワのファンだと思うので、わたしより詳しい方も多いと思いますが、ドラクロワに関して経歴をザっとご紹介しておきます。
Eugène Delacroixは19世紀フランスのロマン主義を代表する画家。
1798年4月26日にCharenton-Saint-Maurice(※現在のSaint-Maurice)で誕生。外交官の父親をもち、裕福な家庭で育ちました。
1815年、母方の叔父で画家のHenri-François Riesenerのすすめもあり、ドラクロワは新古典主義画家Pierre-Narcisse Guérinのアトリエに入門。
そこでロマン主義の先駆者Théodore Géricaultと知り合い、ジェリコーの代表作《メデューズ号の筏》に大きな衝撃を受けます。
1822年、初のサロンで《ダンテの小船》を出品します。審査員のAntoine-Jean Grosが絶賛し、強力な推薦により入選。
1824年のサロンには、実際に起きた事件(ギリシア人がオスマン帝国軍によって虐殺)を題材にした《キオス島の虐殺 Scène des massacres de Scio》を出品し、賛否両論を巻き起こしました。
《民衆を導く自由の女神》や《キオス島の虐殺》などの作品は、フランス政府によって買い上げられ、名声を高めました。
ちなみに《民衆を導く自由の女神》は、旧フランスの紙幣の100フラン札にドラクロワの肖像とともに描かれています。
同年、ドラクロワはレジオン・ドヌール勲章を受勲。その後フランス政府の外交使節団に随行し、モロッコやアルジェリアなど北アフリカの国々を訪問しています。
晩年は、リュクサンブール宮殿、国会議事堂、パリ市庁舎など政府の依頼による大規模な公共建設物の装飾画を手がけ、1855年のパリ万国博覧会では特別室を与えられました。
ウジェーヌ・ドラクロワ美術館の口コミ・評判
サンジェルマンデプレに近い小さなドラクロワ美術館。ドラクロワと仲間たちのアトリエに、美術館があります。ここは中庭がお気に入り。喧騒を感じさせない静かな庭のベンチで、ゆっくり過ごすのがお気に入り。(Googleレビュー)
こじんまりとした美術館です。美術館ように建てられた建物でなく、個人宅を美術館としたので館内は狭く階段は少し急です。夏あたりに行くと油絵の独特な香りもするので、香りに敏感な方は気になる人は気になるかもしれません。展示作品数は多くないですが、あまり来場者が多くないのかゆっくりと見ることができ中庭があり、天気がいい日だと日向ぼっこができるのでゆっくりとした時間を過ごされたいときにはオススメの美術館です。(Googleレビュー)
ウジェーヌ・ドラクロワ美術館の行き方・アクセス・最寄り駅
メトロで行く
最寄り駅は、メトロ4号線Saint-Germain-des-Prés駅。駅から美術館までは徒歩4分です。
近くには、ドラクロワが12年もの歳月をかけて完成させた壁画のあるサン・シュルピス教会があります!
関連記事パリの地下鉄(メトロ)の乗り方・料金支払い方法徹底ガイド
バスで行く
39・63・89・95番 Saint-Germain-des-Prés下車。
教会の周りを囲むようにバス停が3つあります。どのバス停も教会の目の前なので便利です!
ウジェーヌ・ドラクロワ美術館のチケット情報・営業時間・所要時間
入場料金
チケットは、当日窓口で購入できるほか、公式サイトからの購入も可能です。
- 大人 9ユーロ
- 26歳未満(ヨーロッパ在住者)無料
- 共通チケット(ルーブル美術館+ドラクロワ美術館)22ユーロ
- 毎月第一日曜日 無料
- 7月14日 無料
- パリ・ミュージアム・パス 利用可
短期間でパリを観光するならパリ・ミュージアム・パス
ドラクロワ美術館はパリ・ミュージアム・パスを利用できる施設です。
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入口でパスを提示するだけで施設に入場できるので、チケット買う必要がなくなって大幅な時短になります。
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ハイシーズンはミュージアムパスを持っていても予約が必要な施設もあるので、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
(過去に予約が必要だった施設 → ヴェルサイユ宮殿、サント・シャペル教会、コンシェルジュリー *ルーブル美術館は常に予約が必要です)
営業時間
- 9:30-17:30
定休日
毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
所要時間
国立ウジェーヌ・ドラクロワ美術館は小さいので、15~30分くらい滞在される方が多いようです。ゆっくり見ても1時間あれば十分。
所要時間は人それぞれですが、参考にどうぞ!
ウジェーヌ・ドラクロワ美術館周辺の治安
国立ウジェーヌ・ドラクロワ美術館のある6区は、文豪たちの通ったカフェやお洒落なブティックが集まる治安の良いエリアです。
昼間は旅行者で賑わう場所なので、スリなどの対策だけきちんととって荷物に気をつけていれば特段問題なく観光することができます。
夜も多くのフランス人、旅行者がレストランなどで食事をするエリアなので一人歩きでなければ街歩きも大丈夫です。
とはいえ、やはりパリですから混雑した場所ではカバンの中の貴重品を気づかないうちに盗まれたりすることもあり得ます。
リュックは狙われやすいので貴重品を別に持つか、ファスナーの付いたショルダーバッグなどを持つようにしましょう。
駅も広場もスリにあった!という声を聞きます。油断しないでくださいね!
スリ対策の基本
このエリアに限った話ではありませんが、パリ旅行ではスリとの遭遇が日常茶飯事です。
万が一に備えて準備しておきましょう。
たとえば
- 海外旅行保険付帯のクレカを使う
- 現金は100ユーロ以下で基本クレカ払い
- 高くても治安重視でホテルをとる
などは必須レベルでおすすめしたいです。
特にホテルの立地は身の安全を確保する意味で超重要。
わたしたちがパリで宿泊におすすめしている地域は下記の3つ。
もし金銭的に余裕があるのであれば、シャンゼリゼ通りやヴァンドーム広場あたりのホテルがおすすめです。
また、空港からホテルまでの移動はバスや電車が手軽ですが、最近はスリも増えています。せっかくの旅行が台無しにならないよう、タクシーや送迎を使うという手もあります。
特にハイブランドで買い物をした場合はケチらず安心を買いましょう。
海外旅行保険に入る
ことフランスに関しては、海外旅行保険は絶対に必要です。
毎月海外旅行へ行き、パリへ何度も渡航しているわたしですら、何度もスリに狙われました。未だに盗られていなのは運が良かっただけだと思っています。
ですので、どこの会社のどんなプランでも構いませんので、出国前にあらかじめ携行品補償が入っている保険に入っておきましょう。
わたしは、毎回入るのが手間なのと結構お金がかかってしまうという理由から、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを複数枚持って備えています。
海外旅行保険付きのクレジットカードを持っていない方は、ぜひこの機会に1枚作成されることを強くおすすめします。
特に、年会費無料で海外旅行保険付帯のエポスカードは作らない理由がありません。
(エポスカードというと一般的には“マルイのカード”というイメージが強いですが、実は旅行好きのあいだでは有名なカード。未所持の方は迷わず作って損はないですし、年会費のかかるカードに苦手意識がある方の選択肢はエポスカード一択です。)
パリをもっと楽しむ
ガイドブックは地球の歩き方がおすすめ
パリを楽しむならガイドブックは必須。
スマホやタブレットで読める電子書籍でも問題ありませんが、現地では情報の探しやすさ重視で、紙のガイドブックを1冊持っておくことをおすすめします。
フランス関連の書籍を20冊以上読んで厳選した中で、わたしたちがおすすめするガイドブックは地球の歩き方。
内容もかなり充実しており、その国の文化、歴史、生活習慣なども理解できるため、旅の満足度が格段にあがります。
20年旅を続けて痛感していますが、まったく知識がない場所だと人はなかなか感動できないものです。背景を知って初めて心に響いたという経験が何度もあります。
地球の歩き方が苦手な人におすすめしたいのは、写真が多めで読みやすい雑誌タイプのガイドブック。(るるぶやトリコガイドなど)
30日間無料で体験できるKindleUnlimitedで読めるものも多いので、サラッと立ち読みして好みのガイドブックを見つけるのも◎
ガイドブックより深く事前知識を身につけて
パリの美術館を周るなら、ガイドブックだけでなく動画や書籍を利用して事前知識を身に着けておきましょう。
なぜなら「来てみたはいいけど、よくわからなかった」「イマイチ楽しめなかった」と感じてしまうのは本当にもったいないから。
普通は画家や作品を褒めることに終始している書籍や動画が多いのですが、五郎さんは「あいつは変人で友達がいないから~」とか「絵が下手だから~」とわたしたちがちょっと感じているような、素直な表現を多用しています。
ゴシップも取り入れてくれるのでエンタメ要素が強く美術ファン以外も飽きずに楽しめる五郎さんならではの解説。
とはいえ、動画は1本30分近くあるものが多く、どれから見たらいいか迷ってしまいます。
そんな時におすすめなのが、山田五郎のYouTube動画を時代別にまとめた書籍。
有名な作品がコンパクトにまとめられ、美術館の前で広げて読むのにもぴったりです。
各ページに動画のQRコードがついているので、気になる作品だけ動画をじっくり見れば予習はバッチリ!
ガイド付き現地ツアーをぜひ体験して
書籍で予習する時間が取れない方は、ぜひガイド付き現地ツアーを体験してみてください。
特にルーブルやオルセーくらい大きな美術館の場合は、ガイド付きの現地ツアー参加がおすすめ。
料金だけを比べるとチケット単体の価格より高くなってしまいますが、絵画のプロが見どころを詳しく解説してくれる体験は唯一無二。
特にプライベートツアーの場合、少人数でどんどん質問もできますし、作品への情熱を直接ガイドさんから聞けるというのは、驚くほどおもしろくて感動レベルでした。
日本語ガイドのツアーを申し込むならベルトラがおすすめです。
英語ガイドでも問題なければGetYourGuideで探してみてくださいね。
ゆかりの地をめぐろう
フランスには歴史上の人物や著名な芸術家のゆかりの地が多く存在しています。
フランスゆかりの著名人。名前くらいは一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
例えば
かつて彼らが過ごした場所、思い出の街並みが、現在も残っていることは珍しくありません。
実際にその場所に足を運ぶとなんともいえない感慨深い思いがこみ上げてきます。
また、美術館で見た有名な絵画と同じ風景が実在していることも珍しくありません。
当サイトでは約50名の偉人に関して、それぞれのゆかりの地をまとめた記事をご用意しています。旅の参考にしていただけたら幸いです。
ウジェーヌ・ドラクロワ美術館まとめ
国立ウジェーヌ・ドラクロワ美術館は、喧噪から離れた小さな広場にあります。
パリの隠れ家のような美術館で、賑やかな印象のサンジェルマン・デプレ界隈とはまた違った雰囲気が味わえます。
小さな美術館ですが、ドラクロワの晩年の様子がうかがえる素敵なところ。ルーブル美術館の付属美術館のため、ルーブル美術館の入場券で入れるのも嬉しいですね。
また近くにあるサン・シュルピス教会には、ドラクロワの晩年の傑作といわれる壁画《天使とヤコブの闘い》、《神殿を追われるヘリオドロス》、《悪魔を倒す天使長聖ミカエル》がありますので、美術館と合わせて見学することをおすすめします!
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国立ウジェーヌ・ドラクロワ美術館 | |
---|---|
住所 | 6 Rue de Furstemberg, 75006 Paris 地図 |
最寄り | メトロ4号線Saint-Germain-des-Prés駅 |
時間 | 9:30-17:30 |
定休 | 火曜日、1月1日、5月1日、12月25日 |
料金 | 大人9ユーロ 26歳未満(ヨーロッパ在住者)無料 共通チケット(ルーブル美術館+ドラクロワ美術館)22ユーロ 毎月第一日曜日 無料、7月14日 無料 |
HP | http://www.musee-delacroix.fr/fr/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
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当ブログ「フランスボックス」ではパリ在住者が教えるホテルの選び方と安全でコスパの良いおすすめエリアでホテルに関する注意点や知っておきたい情報をまとめました。
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