ドミニク・アングルは、19世紀前半に活躍したフランス新古典主義を代表する画家です。
ジャック・ルイ・ダヴィッドから新古典主義を継承し、イタリアでルネサンスの古典様式を学び、ラファエロ・サンティの作品に心酔しました。
ナポレオンの寵愛を受けていた師ダヴィッドが亡命すると、新古典主義の後継者として、アングルはフランス美術界に熱烈に迎え入れられました。
当ブログ「フランスボックス」では、新古典主義に新しい息吹を吹き込んだドミニク・アングルゆかりの地をご紹介していきます。
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ドミニク・アングル(Dominique Ingres)とは?
ドミニクアングル(Dominique Ingres) | |
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出没年 | 1780年8月29日-1867年1月14日 86歳で死去 |
様式・流派 | 新古典主義 |
出身 | フランス(モントーバン) |
代表作 | 《グランド・オダリスク》ルーブル美術館 《トルコ風呂》ルーブル美術館 《泉》オルセー美術館 《レオナルド・ダ・ヴィンチの死》パリ市立美術館 |
影響を受けた人物 | ダヴィンチ、ラファエロ、ティツィアーノ、ホルバイン |
影響を与えた人物 | ルノワール、ドラクロワ、ドガ、セザンヌ、スーラ、マティス、ピカソ |
幼少期
ルイ16世時代の1780年8月29日、ドミニク・アングルはフランス南西部のモントーバンで誕生しました。
トゥールーズ王立美術アカデミー会員の装飾画家だった父親は非常に多才な人物であり、アングルは幼少の頃から素描など芸術の基礎を教え込まれます。
1789年、フランス革命が勃発。学業もままらなない中不安な少年時代を過ごします。
1791年、トゥールーズ王立美術アカデミーに入学。
芸術キャリア
1797年、パリへ赴き、新古典派の巨匠Jacques-Louis Davidのアトリエに入門。
1801年、若手画家の登竜門であったローマ賞で《アガメムノンの使者たちを迎えるアキレウス》を出品。
大賞を受賞し、1806年からイタリアに留学。
ローマ大賞を獲得すると、ローマのフランス・アカデミー(Académie de France à Rome、通称:ヴィラ・メディチ) に5年間国費で留学できた。
同年《皇帝の座につくナポレオン1世》をサロンに出品しましたが、評価は時代錯誤と散々。
その後の作品も不評で留学期間が終わった後もフランスへ帰国せずイタリアへとどまることを決意します。
1813年、マドレーヌ・シャペルと結婚。
1819年、《グランド・オダリスク La Grande Odalisque》をサロンへ出品しますが、当時は全く評価されませんでした。
1820年ローマからフィレンツェへ移り、故郷モントーバンの大聖堂のため4年かけて製作した《ルイ13世の誓願 Le Voeu de Louis XIII》をサロンへ出品。
1924年のサロンにはライバルであったロマン派の画家Eugène Delacroixの《キオス島の虐殺》も出品されており、当時勢いのあったロマン主義に対抗する新古典主義の大作として絶賛されました。
1825年、レジオン・ド・ヌール勲章を受け、アカデミーの重鎮になります。
1835年、再びイタリアに移り、ローマでフランス・アカデミーの院長に就任。
1841年、パリに戻ったアングルは熱狂的な歓迎を受け、議会議員やエコール・デ・ボザール(国立美術学校)の校長などの要職に就きました。
晩年
1855年、パリ万国博覧会でドミニク・アングルの大回顧展が開催されます。
1862年、アングルの手がけた裸婦画の集大成ともいえる 《トルコ風呂》は、82歳という年齢で描き上げました。
1867年1月14日、パリの自宅にて死去。享年86歳でした。
ドミニク・アングルゆかりの地ベストシーズン
どの季節も素晴らしいのですが、お墓参りやパリの街を散策するなら気候の良い春から秋にかけてがおすすめです。
4月~10月までは営業時間が延びる施設が多く、多くのスポットを観光することができますよ!
美術館巡りであればあえて空いているオフシーズンの冬でも全く問題ありません。
美術館だけがお目当てであれば、あえてオフシーズンでリーズナブルな冬の期間も良いと思います。
ドミニク・アングルゆかりの地
ルーブル美術館(Musée du Louvre)
パリ屈指の観光スポットであるルーブル美術館は、所蔵品の質の高さと規模において世界最大級を誇る国立美術館です。
莫大な美術品の収集家として知られる国王フランソワ1世の改築計画以来、ルーブル宮殿は歴代フランス王の王宮として使われていました。
ルイ14世が王宮をヴェルサイユに移すと、王室美術品コレクションの収蔵や展示場所として使われるようになりました。
ルーブル美術館のコレクションの中でも傑作した名品を揃えるヨーロッパ絵画。
新古典主義の巨匠と呼ばれたドミニク・アングルの代表作品も揃います。
《トルコ風呂 Le Bain Turc》をはじめ、《グランド・オダリスク La Grande Odalisque》、《リヴィエール嬢の肖像》、《オイディプスとスフィンクス》、《ヴァルパンソンの欲女》、《アンジェリカを救うルッジェーロ》、《ルイ・フランソワ・ベルタンの肖像》など、フランス美術界に君臨した画家の名作を鑑賞することができます。
ルーブル美術館 | |
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住所 | Rue de Rivoli, 75001 Paris 地図 |
最寄り | メトロ1号線,7号線Palais-Royal-Musée du Louvre駅 |
時間 | 9:00-18:00(月・水・木・土・日) 9:00-21:45(金) ※閉館時間の45分前まで入場可能 |
定休 | 毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日 |
料金 | 22ユーロ 18歳以下無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.louvre.fr/ |
チケット | ルーブル美術館のチケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
オルセー美術館(Musée d’Orsay)
オルセー美術館は、19世紀の美術コレクションを収蔵する国立美術館です。
オルセー美術館が所蔵する印象派コレクションは世界的に有名です。
またアカデミズム絵画も多く所蔵し、19世紀初期に対立した新古典主義のドミニク・アングルとロマン主義のウジェーヌ・ドラクロワの代表作品も揃います。
アングルの裸婦画の傑作として名高い《泉 La source》をはじめ、《パフォスのヴィーナス Vénus à Paphos》、《聖餅の聖母(オスティアのマリア)》、《ユピテルとアンティオペ》などを見ることができます。
オルセー美術館 | |
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住所 | 1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ12号線Solférino駅 |
時間 | 9:30-18:00(火水金土) 9:30-21:45(木) ※閉館時間の45分前まで入場可能 |
定休 | 毎週月曜日、5月1日、12月25日 |
料金 | 16ユーロ 18歳以下無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.musee-orsay.fr/ |
チケット | オルセー美術館チケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
パリ市立美術館/プチ・パレ(Musée des Beaux-Arts de la Ville de Paris/Petit Palais)
パリ市立美術館(プチ・パレ)は、パリ市が所蔵するコレクションを展示した美術館です。
規模は小さめですが、Claude MonetやPaul Gauguinといった巨匠の絵画を鑑賞することができます。
企画展も定評があり、シャンゼリゼ大通りからも近いので旅行者にもおすすめの美術館です。
プチ・パレ美術館には、ドミニク・アングルが1824年のサロンに出品した作品《レオナルド・ダ・ヴィンチの死 La mort de Léonard de Vinci》があります。
国王フランソワ1世の招きにより同地を訪れたレオナルド・ダ・ヴィンチがクロ・リュセ城で客死したときの場面を脚色し描いたものです。
プチ・パレ | |
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住所 | Avenue Winston Churchill, 75008 Paris 地図 |
最寄り | メトロ1,13号線Champs-Elysées-Clémenceau駅 |
時間 | 10:00-18:00 |
定休 | 月曜日 1月1日、5月1日、7月14日、11月11日、12月25日 |
料金 | 11ユーロ 常設展は無料 |
HP | https://www.petitpalais.paris.fr/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
軍事博物館(Musée de l’Armée)
金色のドームが美しいアンヴァリッドは、17世紀にルイ14世の命で廃兵院として建てられました。
現在は、建物の一部が軍事博物館として公開されており、ナポレオン1世の墓のあるドーム教会やサン・ルイ教会も見学することができます。
軍事博物館では、1806年に立法院から依頼されて制作したアングルの初期を代表する作品《皇帝の座につくナポレオン1世》を見ることができます。
堂々たるナポレオンの冷酷さ、金の刺繍、サテンの質感など素人目には素晴らしいの一言ですが、当時は古すぎると酷評されました。
詳しい情報に関しては「アンヴァリッド(ナポレオンの墓)の行き方・営業時間・見どころ徹底ガイド」にまとめています。
アンヴァリッド | |
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住所 | 129 Rue de Grenelle, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ8号線La Tour Maubourg駅 メトロ13号線Varennes駅 |
時間 | 10:00-18:00(4月1日~10月31日) 10:00-17:00(11月1日~3月31日) |
定休 | 1月1日、5月1日、12月25日 |
料金 | 15ユーロ 無料エリアあり ミュージアムパスOK |
HP | https://www.parisinfo.com/musee-monument-paris/71310/Hotel-national-des-Invalides |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
アングル・ブールデル美術館(Musée Ingres Bourdelle)
フランス南西部に位置するモントーバンは、ドミニク・アングルの生まれ故郷。
この小さな街にアングル・ブールデル美術館があります。
ドミニク・アングルの作品の他に、同じくモントーバン出身の彫刻家Antoine Bourdelleの作品も所蔵されています。
アングルは、1851年に自分の作品と自身が収集した古代ギリシアの陶器などをモントーバンに寄付しました。
《聖ペテロの天国の鍵の授与 Jésus remet à saint Pierre les clefs du paradis》や《博士たちと議論するキリスト》などを鑑賞することができます。
大聖堂も近いのでぜひ合わせて足を運んでみてください。
アングル・ブールデル美術館 | |
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住所 | 19, rue de l’Hôtel de ville 82000 Montauban 地図 |
行き方 | パリからモントーバンまで電車で行く場合、パリのモンパルナス駅(Gare Montparnasse)からTGVでモントーバン駅(Gare Montauban)まで約5時間 。 |
時間 | 10:00-19:00 10:00-21:00(木のみ) |
定休 | 月曜日、1月1日、5月1日、11月11日、12月25日 |
料金 | 10ユーロ(自然史博物館Muséum d’Histoire Naturelleの入場を含む) 未成年者および26歳以下の学生無料 |
HP | https://museeingresbourdelle.com/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
ペール・ラシェーズ墓地(Cimetière du Père-Lachaise)
パリ東部にあるペール・ラシェーズ墓地は、静寂に包まれた美しい墓地で、広大な敷地には著名人たちが眠ります。
世界中からたくさんの人々が訪れ、墓に花を手向けています。
フランス画壇の重鎮ドミニク・アングルは86歳で亡くなり、遺骸はペール・ラシェーズ墓地に埋葬されました。
- フランスを代表するシャンソン歌手
エディット・ピアフ - イタリア出身の俳優・シャンソン歌手
イヴ・モンタン - アイルランド出身の作家・劇作家・詩人
オスカー・ワイルド - イソップ寓話で有名なフランスの詩人
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ - フランスのロマン主義を代表する画家
ウジェーヌ・ドラクロワ - フランスの文豪
オノレ・ド・バルザック - 長編小説「失われた時を求めて」
マルセル・プルースト - オペラの女王・ソプラノ歌手
マリア・カラス - エコール・ド・パリを代表する画家
アメデオ・モディリアーニ - ロマン派を代表する作曲家
フレデリック・ショパン - 印象派の画家
カミーユ・ピサロ - 画家・絵画収集家
ギュスターヴ・カイユボット - オペラ《カルメン》の作曲家
ジョルジュ・ビゼー - フランス6人組・作曲家
フランシス・プーランク - オペラ《セビリアの理髪師》の作曲家
ジョアキーノ・ロッシーニ - バルビゾン派の画家
カミーユ・コロー - 画家
ジョルジュ・スーラ - 新古典主義の巨匠
ドミニク・アングル - 新古典主義の画家
ジャック=ルイ・ダヴィッド - 女性前衛画家
マリー・ローランサン
詳しい情報に関しては「ペールラシェーズ墓地の行き方・営業時間・見どころ徹底ガイド」にまとめています。
ペール・ラシェーズ墓地 | |
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住所 | 16 Rue du Repos, 75020 Paris 地図 |
最寄り | メトロ2号線Philippe Auguste 駅 |
時間 | [11月-3月中旬] 8:00-17:30(月~金) 8:30-17:30(土) 9:00-17:30(日・祝) [3月中旬-10月] 8:00-18:00(月~金) 8:30-18:00(土) 9:00-18:00(日・祝) |
定休 | ー |
料金 | ー |
HP | https://pere-lachaise.com/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
ドミニク・アングルゆかりの地まとめ
フランス美術界で揺るぎない地位を築いたドミニク・アングル。
生涯にわたり理想美を追い求め、歴史画・神話画・宗教画・裸婦画・肖像画・風景画などさまざまな画題を手がけました。
師ジャック・ルイ・ダヴィッドの亡命により新古典主義の最後の後継者と言われましたが、アングルの作品にはロマン主義的な傾向も見えます。
神童として青年時代を過ごし、フランスを離れた後は苦労の連続。
成功者のアングルも実は困難な時期を経て躍進したのだと考えるといくつも生きるヒントをもらえたような気がします。
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