ジョルジュ・スーラとの出会いは大学時代オルセー美術館でのこと。
なんと美しい絵だろうとその細やかな点と色彩に釘付けになりました。
印象派の画家たちが用いた「筆触分割」の技法を押し進め、光学的理論を取り入れ、点描画法という新しい技法を生み出しました。
31歳という若さで病死したため、残された作品の数はあまり多くありませんが、ポール・シニャックに大きな影響を与えたことで知られています。
ジョルジュ・スーラ亡き後は、ポール・シニャックが新印象主義を担い、点描技法を広めることに貢献します。
今回は、新印象派の創始者ジョルジュ・スーラゆかりの地をご紹介していきます。
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このページの目次
ジョルジュ・スーラ(Georges Seurat)とは?
ジョルジュ・スーラ(Georges Seurat) | |
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出没年 | 1859年12月2日-1891年3月29日 31歳で死去 |
様式・流派 | 新印象派 |
出身 | パリ |
代表作 | 《グランド・ジャット島の日曜日の午後》シカゴ美術館 《サーカス》オルセー美術館 《アニエールの水浴》ナショナル・ギャラリー |
影響を受けた人物 | ドミニクアングル、ウジェーヌドラクロワ、エドガードガ、クロードモネ |
影響を与えた人物 | カミーユピサロ、ポールシニャック |
幼少期から学生時代
1859年12月2日、ジョルジュ・スーラはパリで裕福な家庭に生まれます。
1878年、エコール・デ・ボザール(国立美術学校)に入学しますが、兵役のため中退しています。
芸術キャリア
1883年、サロンで素描が入選。
1884年、ポール・シニャックと出会い、「独立芸術家協会(アンデパンダン美術協会)」を結成。
そして若い画家たちの発表の場を与えるため、無審査、無償、自由出品の展覧会「アンデパンダン展」を開催します。
アンデパンダン展(サロン・ド・アンデパンダン)とは英語でindependentの意であり、無審査・無賞・自由出品を原則とする美術展のこと。
誰でも自由に出展できる素人展ではあるものの、ルソー、ロートレック、マティス、ゴーギャン、セザンヌ、ゴッホ、シニャック、ピサロ、ルドン、藤田嗣治など名だたる画家が作品を発表し、美術界へ大きな影響を与えた。
1884年に縦201cm×横301.5cmの大作《アニエールの水浴 Une Baignade, Asnières)》を完成させ、サロンでは落選しましたが、第1回アンデパンダン展に出品しています。
1885年、Camille Pissarroに出会います。
1886年、ピサロのすすめで、最後の印象派展(第8回印象派展)にスーラの代表作《グランド・ジャット島の日曜日の午後 Un demanche après-midi á l’île de la Grande Jatte》を出品。
この作品は話題となり、美術評論家Felix Feneonはスーラの新しい画風を「新印象派」と呼び、絶賛しています。
ピサロは、スーラやシニャックなど若い世代(新印象派)とともに印象派の発展に貢献しますが、これが内部分裂を引き起こし、1886年の第8回印象派展を最後に解散となりました。
1891年3月29日、ジョルジュ・スーラは、パリの両親の家で31歳の若さで亡くなりました。
死因は感染性狭心症(またはジフテリア)ではないかと推測されています。
スーラは私生活を語ることはなかったため、家族や友人はスーラの死により内縁関係にあった女性マドレーヌ・ノブロックの存在を知りました。
残念なことに、幼い息子も同じ病気で2週間後に亡くなっています。
ジョルジュ・スーラの遺骸は、ペール・ラシェーズ墓地に埋葬されました。
スーラ唯一の肖像画はマドレーヌ・ノブロックをモデルにした《化粧する若い女 Jeune femme se poudranu》でした。
ジョルジュ・スーラゆかりベストシーズン
フランスのベストシーズンは1年中と言っても過言ではありません。
どの季節も素晴らしいのですが、お墓参りやパリの街を散策するなら気候の良い春から秋にかけてがおすすめです。
4月~10月までは営業時間が延びる施設が多く、多くのスポットを観光することができますよ!
美術館巡りであればあえて空いているオフシーズンの冬でも全く問題ありません。
ジョルジュ・スーラゆかりの地3選
①アノンシアード美術館(Musée de l’Annonciade)
南フランスの高級リゾート地サン・トロペ。かつてこの地は小さな漁村でしたが、芸術家や映画スターなどに愛され、今やセレブリティが集まる場所となりました。
サン・トロペには、20世紀初頭の前衛芸術の傑作が収蔵されたアノンシアード美術館があります。
新印象派のポール・シニャックの点描画「サン・トロペの港」をはじめ、ナビ派のPierre Bonnard、フォーヴィスム(野獣派)のHenri Matisseなど魅力的なコレクションが揃います。
アノンシアード美術館が所蔵する最も古い作品に、ジョルジュ・スーラの《グラヴリンの水路のための習作》があります。
スーラは多数の素描や下絵を制作して構想を練り、1つの作品を仕上げるまでにかなりの時間を要しました。
アノンシアード美術館 | |
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住所 | 2, place Georges Grammont 83990 Saint-Tropez 地図 |
行き方 | パリからニースまで飛行機で行く場合、オルリー空港からニース・コート・ダージュール空港まで、所要時間約1時間35分。 パリからニースまで電車で行く場合、パリのリヨン駅からTGVでニース駅まで、所要時間約6時間。ニースからサン・トロペまでフェリーで所要時間約2時間30分。 |
時間 | 10:00-17:00(1月-3月/11月-12月) 10:00-18:00(4・5・6・10月) 10:00-19:00(7・8・9月) 10:00-21:00(7月中旬から9月末の月曜日) |
定休 | 月曜日(※7・8・9月は除く) 5月1日、5月17日、11月15日-11月30日、12月25日-1月1日 |
料金 | 4ユーロ 12歳以下無料 |
HP | https://www.saint-tropez.fr/culture/musee-de-lannonciade/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
②オルセー美術館(Musée d’Orsay)
オルセー美術館は、パリで開催された万国博覧会のために建設された駅を再利用してできた美術館です。
パリの美術館の中でも指折りの人気を誇り、1848年から1914年までの絵画や彫刻などのコレクションが展示されています。
オルセー美術館は新印象派の作品も充実しており、ジョルジュ・スーラの代表作である《グランド・ジャット島の日曜日の午後の習作》をはじめ、《アニエールの水浴の習作》、《ポール・アン・ベッサンの外港、高潮》、未完成に終わった《サーカス》などを見ることができます。
遠くから、近くから様々な表情が楽しめるのは実際に足を運んだ人だけ!
オルセー美術館 | |
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住所 | 1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ12号線Solférino駅 |
時間 | 9:30-18:00(火水金土) 9:30-21:45(木) ※閉館時間の45分前まで入場可能 |
定休 | 毎週月曜日、5月1日、12月25日 |
料金 | 16ユーロ 18歳以下無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.musee-orsay.fr/ |
チケット | オルセー美術館チケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
③ペール・ラシェーズ墓地(Cimetière du Père-Lachaise)
パリ東部にあるペール・ラシェーズ墓地は、パリで最も有名な墓地です。
広大な敷地には、世界的な著名人が眠っているため、毎年たくさんの人々がこの墓地を訪れます。
31歳の若さで亡くなったジョルジュ・スーラもこのペール・ラシェーズ墓地に埋葬されています。
お墓を訪れる際には、墓地の入り口で無料の墓地案内図をもらっておきましょう。
- フランスを代表するシャンソン歌手
エディット・ピアフ - イタリア出身の俳優・シャンソン歌手
イヴ・モンタン - アイルランド出身の作家・劇作家・詩人
オスカー・ワイルド - イソップ寓話で有名なフランスの詩人
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ - フランスのロマン主義を代表する画家
ウジェーヌ・ドラクロワ - フランスの文豪
オノレ・ド・バルザック - 長編小説「失われた時を求めて」
マルセル・プルースト - オペラの女王・ソプラノ歌手
マリア・カラス - エコール・ド・パリを代表する画家
アメデオ・モディリアーニ - ロマン派を代表する作曲家
フレデリック・ショパン - 印象派の画家
カミーユ・ピサロ - 画家・絵画収集家
ギュスターヴ・カイユボット - オペラ《カルメン》の作曲家
ジョルジュ・ビゼー - フランス6人組・作曲家
フランシス・プーランク - オペラ《セビリアの理髪師》の作曲家
ジョアキーノ・ロッシーニ - バルビゾン派の画家
カミーユ・コロー - 画家
ジョルジュ・スーラ - 新古典主義の巨匠
ドミニク・アングル - 新古典主義の画家
ジャック=ルイ・ダヴィッド - 女性前衛画家
マリー・ローランサン
詳しい情報に関しては「ペールラシェーズ墓地の行き方・営業時間・見どころ徹底ガイド」にまとめています。
ペール・ラシェーズ墓地 | |
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住所 | 16 Rue du Repos, 75020 Paris 地図 |
最寄り | メトロ2号線Philippe Auguste 駅 |
時間 | [11月-3月中旬] 8:00-17:30(月~金) 8:30-17:30(土) 9:00-17:30(日・祝) [3月中旬-10月] 8:00-18:00(月~金) 8:30-18:00(土) 9:00-18:00(日・祝) |
定休 | ー |
料金 | ー |
HP | https://pere-lachaise.com/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
ジョルジュ・スーラゆかりの地まとめ
点描技法を取り入れたジョルジュ・スーラは、1つの作品を仕上げるために多数のデッサンや下絵を制作しました。
これには膨大な時間を要しましたが、裕福な家庭に生まれたスーラは、他の画家たちとは違い、親からの仕送りがあり、生活に困ることはありませんでした。
寡黙で内気な性格だったといわれ、私生活について他人に多く語ることはなかったそうです。
31歳という短すぎる生涯でしたが、その功績は確実に20世紀に引き継がれたことでしょう。
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