ロワール地域の人気観光都市
フランス中部を流れる最長の川「ロワール川」流域には、宝石を散りばめたような美しい古城が点在します。
温暖な気候で、ブドウ畑が広がるのどかな風景が続き、「フランスの庭」と呼ばれています。
オルレアン Orléans
フランス中部に位置するオルレアンは、紀元前にガリアに居住していたケルト人の町を起源とする大変歴史的な街です。
カエサルによるガリア遠征で破壊され、ローマ帝国時代に再建。フランスの国民的英雄ジャンヌ・ダルクゆかりの地としても知られています。
英仏百年戦争末期、没落寸前だったオルレアンはジャンヌ・ダルクにより解放され、フランス軍を奇跡的な勝利に導きました。
毎年4月下旬から5月上旬には、オルレアンで「ジャンヌ・ダルク祭」が盛大に開かれています。
トゥール Tours
フランス中部に位置するトゥールは、ロワールの古城巡りの最大の拠点。
またトゥール大学をはじめ、国立音楽学校、美術学校、研究機関の集まる学園都市としての顔をもち、ヨーロッパ有数の巡礼地としても知られています。
19世紀の文豪バルザックの生地でもあり、ロワール渓谷を舞台にした「谷間の百合」など数々の名作を書き残しましたが、残念ながらバルザックの生家は、第二次世界大戦中に焼失しています。
シャルトル Chartres
パリの南西に位置するシャルトル。この小さな街を世界的に有名にしたのが、シャルトルのノートルダム大聖堂。
「シャルトル・ブルー」と呼ばれる美しいステンドグラスがはめ込まれたノートルダム大聖堂は、ユネスコの世界遺産に登録されています。
大聖堂の前に立ってまず気づくのは、左右非対称の2本の塔。
正面向かって左側の塔はゴシック様式の新鐘楼、右側の塔はロマネスク様式の旧鐘楼です。
大聖堂西側ファサードにある「王の扉」は、1194年の火災を逃れた貴重な部分で、扉に施された彫刻は、12世紀ロマネスク芸術の傑作といわれています。
また地下聖堂入り口手前にある「美しき絵ガラス聖母」は、「ステンドグラスの至宝」と称される1180年に作られたフランス最古のステンドグラスです。
ロワールで絶対行きたいおすすめの人気古城
古城めぐりの参考になればと、「ロワールで絶対行きたいおすすめ古城」という記事を作成しました。
特にシャンボール、アンボワーズ、ブロワ城は王家ゆかりのお城なので、規模や豪華さ、タブレット版解説などがほかのお城と比べて非常に充実しています。
時間がないならぜひこの3つの1つを選ぶことをおすすめします。
シャンボール城 Chateau De Chambord
ロワール川流域で最大の規模をもつシャンボール城は、「白亜の城館」と呼ばれる美しいルネッサンス様式の城です。
巨大な城館に誰もが圧倒されるはず!
人と人がすれ違うことなく階段を上り下りできる二重螺旋階段は、シャンボール城の1番の見どころ。
また屋上のテラスからの眺めが素晴らしく、美しい庭園と国立野生動物保護区域になっているシャンボールの森が一望できます。
ブロワ城 Chateau de Blois
ケルト語で「オオカミ」の意味をもつブロワ城は、フランス王家の主要な王宮として重要な役割を果たした城です。
13世紀から17世紀にかけて増改築が繰り返されたため、異なる建築様式が一度に見ることができ、「建築の博物館」と呼ばれています。
見どころは、フランソワ1世棟にある八角形の螺旋階段。「ルネッサンス様式の傑作」と称されています。
4月〜9月までに訪れるなら、ブロワ城の中庭で開催される「音と光のスペクタクル」は必見!
日が暮れるのが遅いので、開始が22時からというのが日本人からすると驚きですが、お城の歴史がすっと頭に入り、大変貴重な経験ができました。
アンボワーズ城 Château d’Amboise
アンボワーズ城は、ルネッサンス様式発祥の地で、歴代フランス国王の居城でした。
ロワール川に臨む小高い丘の上にあり、シャルル8世の時代、イタリアから画家や建築家、装飾家、造園家などが招かれ、城の大改修が行われました。
またレオナルド・ダ・ヴィンチは、フランソワ1世によって招かれ、晩年をこの地で過ごしました。
華やかな宮廷文化が開花した一方で、宗教戦争による暗い歴史をもつ城でもあります。
1560年にアンボワーズ城で陰謀事件が勃発。これにより旧教徒は、新教徒を大量に虐殺したのです。
アンボワーズ城敷地内にサン・テュベール礼拝堂にはレオナルド・ダ・ヴィンチの墓碑も。
見どころが満載なのでお見逃しなく!
クロ・リュセ城 Château du Clos Lucé
アンボワーズ城から少し離れた所に、クロ・リュセ城があります。
この城は、フランソワ1世によって招かれたレオナルド・ダ・ヴィンチが晩年を過ごした場所で、数々の発明や芸術がここで生まれました。
城内にある仕事部屋や寝室は、レオナルド・ダ・ヴインチの当時の暮らしを偲ばせてくれます。
またお城の敷地内にある「レオナルド・ダ・ヴィンチパーク」では、プロペラ機の実物大模型など野外展示がされており、こちらも見応えがあります。
ユッセ城 Chateau D’Usse
シノン森に佇む白亜の城「ユッセ城」は、シャルル・ペローの童話「眠れる森の美女」のモデルになったお城として知られ、まるでおとぎ話にでてくるようなメルヘンチックな城です。
ヴェルサイユ宮殿の建築家フランソワ・マンサールによる大階段、ヴェルサイユ宮殿やヴォ・ル・ヴィコント城の庭園を手掛けたル・ノートルによる庭園など見どころが満載。
蝋人形で展示された「眠れる森の美女」の物語を追いながら、見学が楽しめます。
ショーモン城 Château de Chaumont
ショーモン城の歴史は古く、もともと領土の境界を監視するための要塞として作られたお城でした。遠くから眺めると、おとぎ話にでてくるお城のような印象を受けますが、近くでよく見ると、封建時代の要塞だったことがよく分かります。
アンリ2世の時代、ショーモン城は国王の愛妾であったディアーヌ・ド・ポワチエに与えられます。
しかし、そのことに不満を抱いていた王妃カトリーヌ・ド・メディシスは、国王の死後、ディアーヌ・ド・ポワチエからショーモン城を奪い、引き換えにシュノンソー城を与えたといわれています。
シュノンソー城 Château de Chenonceau
「フランスルネッサンスの珠玉の城」と呼ばれるシュノンソー城は、ロワール川の古城の中でも指折りの人気を誇るお城です。
「ルネッサンス様式の傑作」とも称される優美なお城は、「6人の奥方の城」とも呼ばれ、約400年間、6代にわたって城主が女性でした。
特に国王アンリ2世をめぐる2人の女性アンリ2世の愛妾ディアンヌ・ド・ポワチエと王妃カトリーヌ・ド・メディシスの愛憎劇にまつわるエピソードがあるのもこのシュノンソー城。
カトリーヌ・ド・メディシスによって、城館からシェール川をまたぐように架けられた橋の上に作られたギャラリー(大回廊)は、華麗な舞踏会の場所でもあり、城の見どころとなっています。
また18世紀の城主デュパン夫人は、別棟に思想家のモンテスキューやヴォルテールなど一流文化人を集め、文芸サロンを開いたことでも有名です。
「カトリーヌ・ド・メディシス庭園」と「ディアーヌ・ド・ポワチエ庭園」と名付けられた2つの美しいフランス式庭園も見逃せません。
アゼ・ル・リドー城 Azay-le-Rideau
「ロワールの真珠」と呼ばれるアゼ・ル・リドー城。その名にふさわしく、水面に浮ぶように見える外観は、誰もが息をのむ美しさです。
フランスの文豪バルザックは、アゼ・ル・リドー城を「アンドル川のきらめくダイヤモンド」と称賛しました。
他のロワール川古城に比べ規模は小さめですが、ルネッサンス期の家具やタピスリーなどのコレクションが楽しめます。
特にお花の季節は庭に花が咲き誇り、美しさが増していました。
ロワール地方の治安
ロワールはパリと比べるとそれほど治安は悪くありません。
オルレアンやトゥール、ブロワを拠点に古城をあちこち巡ってきましたが、どこものんびりとして穏やかで、安心して旅行することができました。
地方都市とはいえ、ここはフランス。高価なブランド品を身につけたり、夜遅くに人通りの少ない場所へ行くのは非常に危険です。
特にスマートフォンは狙われやすく、マップなどを見て気を取られている隙にスリに遭遇します。
突然近寄ってきてスマホをひったくられるケースもありますので十分に注意しましょう。
ハイブランドを購入した後はメトロは使わずタクシーでホテルに戻るか、ショッピングバッグに入れ替えて移動することを強くおすすすめします!!
被害に遭ってしまうと精神的にもせっかくの旅行が台無しになってしまうので、旅行を楽しむために防犯対策はしっかりと行いましょう。
スリ対策の基本
このエリアに限った話ではありませんが、フランス旅行ではスリとの遭遇が日常茶飯事です。
万が一に備えて準備しておきましょう。
たとえば
- 海外旅行保険付帯のクレカを使う
- 現金は100ユーロ以下で基本クレカ払い
- 高くても治安重視でホテルをとる
などは必須レベルでおすすめしたいです。
海外旅行保険に入る
ことフランスに関しては、海外旅行保険は絶対に必要です。
毎月海外旅行へ行き、パリへ何度も渡航しているわたしですら、何度もスリに狙われました。未だに盗られていなのは運が良かっただけだと思っています。
ですので、どこの会社のどんなプランでも構いませんので、出国前にあらかじめ携行品保証が入っている保険に入っておきましょう。
わたしは、毎回入るのが手間なのと結構お金がかかってしまうという理由から、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを複数枚持って備えています。
海外旅行保険付きのクレジットカードを持っていない方は、ぜひこの機会に1枚作成されることを強くおすすめします。
特に、年会費無料で海外旅行保険自動付帯のエポスカードは作らない理由がありません。
(エポスカードというと一般的には“マルイのカード”というイメージが強いですが、実は年会費無料で海外旅行保険が自動付帯なのは他の無料カードにはない隠れた魅力。未所持の方は迷わず作って損はないですし、年会費のかかるカードに苦手意識がある方の選択肢はエポスカード一択です。)
そのほかクレジットカードについては「フランス・パリ旅行に必携!現地で使えるおすすめクレジットカード」の記事で詳しく解説しています。
ロワールの街をもっと楽しむ
現地ツアーで周る
フランスは場所によって治安面に不安はあるものの、個人旅行で問題なく観光できます。
わたしも大抵の場合は個人で滞在しますが、ガイド付きで周った時の経験は忘れられません。
ロワールに訪れるなら、いくつか古城をピックアップして古城めぐりをするのがおすすめ。
中には電車やバスなど公共交通機関での移動が難しく、レンタカーやタクシーを使った移動が必要な箇所もあるので、ロワールの古城めぐりをするならぜひ現地ツアーを利用しましょう。
- トゥール発のロワールの古城めぐり1日ツアー①
(アゼ・ル・リドー城 /ヴィランドリー城/ ユッセ城 / ランジェ城) - トゥールパリ発のロワールの古城めぐり1日ツアー②
(アゼ・ル・リドー城 /ヴィランドリー城/シュノンソー城 / シャンボール城 )
ベルトラの現地ツアーは出発前に日本語で予約できる上に価格も良心的なので、わたしたちもよく利用しています。
英語や仏語でもよければGetYourGuideでのツアーもおすすめ。ぜひ一度チェックしてみてください。
フランスの偉人・芸術家ゆかりの地をめぐる
自分がフランスに行くとき、こんな記事があったらいいな…を形にしました。
大好きなゴッホ、ルノアール、モネを出発点に、フランス国内ゆかりの地スポットをまとめています。
ロワール地方で有名な人物と言えば、ジャンヌダルクやフランス王家や貴族などでしょうか。
ガイドブックは持っておいて損なし
ガイドブックはスマホやタブレットで読める電子書籍でも問題ありませんが、現地では情報の探しやすさ重視で、紙のガイドブックを1冊持っておくことをおすすめします。
フランス関連の書籍を20冊以上読んで厳選した中で、わたしたちがおすすめするガイドブックは地球の歩き方です。
ツアーガイドや旅慣れた人が購入するのはやはり地球の歩き方。
全579ページはもはやガイドブックというより教科書レベル。
内容もかなり充実しており、その国の文化、歴史、生活習慣なども理解できるため、旅の満足度が格段にあがります。
20年旅を続けて痛感していますが、まったく知識がない場所だと人はなかなか感動できないものです。背景を知って初めて心に響いたという経験が何度もあります。
パリやニース以外の地方都市の情報が詳しく載っているので周遊するには欠かせない1冊。
フランスのハイライトはもちろん、文化やアート情報、お土産屋グルメに関しても詳しく紹介されています。
現地で体調を崩した時や犯罪に巻き込まれた時の連絡先や緊急時の医療会話まで載せているのは本当に素晴らしいと思います。
地方にしか行かないという方は分冊版がおすすめです。通常版よりお値段が安くなるのが嬉しいですね♪
また地球の歩き方以外でロワール旅行におすすめなのが「世界の絶景 お城&宮殿」。
ヨーロッパを中心に世界中のお城が集められ眺めているだけでもうっとり。ロワールの古城もしっかり11ヵ所選抜されており、どの城へ行くか決めるのに役立ちます。
ロワールで古城めぐりを考えているなら、ぜひ泊まってほしいのがルレ・ドゥ・シャンボール!
シャンボール城から徒歩約4分といった夢のような立地で、一部のお部屋からはシャンボール城の景色を望むこともできます。
フランス人建築家ジャン=ミッシェル・ヴィルモット監修による全面改装を経て、2018年3月にオープンしたばかり。
内装もとてもきれいで、大変おすすめです。
もう少し古さを楽しめるホテルがお好みなら、中世のお城、シャトー・ドゥ・リヴォーもぜひ検討してみてください。
ロワール地方の古城ホテルは忘れられない滞在になるでしょう。
トゥールを拠点にするなら「ヒルトンガーデンイン」はコスパが良くおすすめです!