淡く優しい色彩で知られる女性画家マリー・ローランサンは、20世紀の初頭にキュビスムの創設者ジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソなどの前衛芸術家たちと共に活躍しました。
舞台美術や衣装デザインなどにも積極的に取り込み、名声を高めていきましたが、マリー・ローランサンの人生は決して平坦なものではありませんでした。
今回は、パステルカラーの淡い色調で幻想的な世界を描いたマリー・ローランサンのゆかりの地をご紹介していきます。
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このページの目次
マリー・ローランサン(Marie Laurencin)とは?
マリー・ローランサン(Marie Laurencin) | |
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出没年 | 1883年10月31日-1956年6月8日 72歳で心臓発作により死去 |
様式・流派 | キュビスム、エコール・ド・パリ |
出身 | パリ |
代表作 | 《マドモアゼル・シャネルの肖像》オランジュリー美術館 《ザ・ドリーマー》ピカソ美術館 《アポリネールとその友人たち》ポンピドゥー・センター |
影響を受けた人物 | ジョルジュブラック、パブロピカソ |
影響を与えた人物 | いわさきちひろ |
幼少期
1883年10月31日、マリー・ローランサンはパリで私生児として誕生。
父親は代議士のアルフレッド・トゥーレでしたが、認知されていなかったため、母子家庭に育ちました。
芸術キャリア
1904年、私塾アカデミー・アンベールに入り、本格的に絵の勉強を開始。
そこでGeorges Braqueと知り合い、キュビスムの影響を受けます。
1906年、ブラックの紹介で、「洗濯船(バトーラヴォワール)」に集まる芸術仲間たちと交流を開始。
その中には、Pablo PicassoやAmedeo Modigliani、Henri Matisse、Henri Rousseauなどがいました。この出会いは、ローランサンの画家人生の大きな転機となりました。
1907年、ピカソの紹介で詩人Guillaume Apollinaireと出会い、2人はたちまち恋に落ちます。
互いの才能を認め高め合う2人でしたが、次第に2人の関係に影を落とし始めます。
1911年8月22日、ルーブル美術館で「モナ・リザ盗難事件」が勃発。
アポリネールはこの事件の容疑者として、ピカソとともに逮捕されてしまいます。
その後釈放されますが、これがきっかけとなり、ローランサンはアポリネールのもとを去っていきました。
アポリネールはローランサンへの思いが断ち切れず、そのときの思いを綴った詩がアポリネールの名作《ミラボー橋》です。
1912年、初めての個展を開き、評判となります。
この頃から次第にキュビスムからエコール・ド・パリの新進画家として知られるようになります。
1913年、母ポリーヌが病死。
悲しみに暮れているとき、1人の男性に出会います。ドイツから絵を学ぶためパリに来ていた名門貴族のOtto von Wätjenです。
1914年6月に2人は結婚。ところが、そのわずか6日後に「サラエボ事件」が勃発。
戦争
フランスがドイツに宣戦布告をして、第一次世界大戦が始まりました。
結婚によりドイツ国籍となったローランサンは、夫とともにスペインへ亡命を余儀なくさせられます。
亡命先のスペインでも、スペイン政府にスパイ容疑をかけられ、監視下におかれながらの亡命生活でした。
ローランサンの結婚生活は決して幸せなものではなく、夫の浮気や酒浸りで、夫婦関係にもヒビが入り始めます。
1918年、ローランサンのもとに訃報が届きます。かつての恋人アポリネールがスペイン風邪にかかり、38歳で亡くなりました。
パリへ
1921年、夫と離婚が成立。そしてパリに戻り、再び画壇に返り咲きます。
1922年、上流階級の夫人から肖像画の注文が殺到。その中には、パリのモード界の寵児ココ・シャネルもいました。
しかしシャネルは、その肖像画が気に入らず、受け取りを拒否したという逸話が残っています。
晩年
晩年、ローランサンはシュザンヌ・モローという若い家政婦を雇い、娘のように可愛がりました。
シュザンヌは独占欲にかられ、ローランサンを束縛。ローランサンは次第に社交界から遠ざかり宗教へ傾倒、自宅に引きこもりがちに。
1937年、レジオン・ドヌール勲章を授与。
1939年、第二次世界大戦が勃発すると、自宅のアパルトマンをドイツ軍に接収されてしまいます。
さらにはパリ解放後、対独協力者の疑いがかけられて、強制収容所に収監させられます。
1954年、シュザンヌ・モローを養女にします。
1956年6月8日、パリの自宅にて息を引き取ります。
ローランサンの遺志により、白い衣装に身を包み、真っ赤な薔薇を手にアポリネールの手紙を胸に抱いてペール・ラシェーズ墓地に埋葬されました。
マリー・ローランサンゆかりの地ベストシーズン
フランスのベストシーズンは1年中と言っても過言ではありません。
どの季節も素晴らしいのですが、フランス国内の周遊を楽しむのであれば気候の良い春から秋にかけてがおすすめです。
4月~10月までは営業時間が延びる施設が多く、多くのスポットを観光することができますよ!
マリー・ローランサンゆかりの地2選
①オランジュリー美術館(Musée de l’Orangerie)
チュイルリー公園の西側に位置するオランジュリー美術館は、印象派からキュビスムまでのコレクションが集められた美術館です。
1852年にナポレオン3世により作られた温室(オランジュリー)を改造してできた美術館で、Claude Monetの代表作《睡蓮》が有名です。
天井から自然光が降り注ぐ「睡蓮の間」には、モネの連作《睡蓮》が360度取り囲むように展示されています。
オランジュリー美術館に所蔵されているマリー・ローランサンのコレクションは、《マドモアゼル・シャネルの肖像》、《ギヨーム・アポリネールの肖像》、《牡鹿》、《ポール・ギヨーム夫人の肖像》などがあります。
オランジュリー美術館 | |
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住所 | Jardin Tuileries, 75001 Paris 地図 |
最寄り | メトロ1, 8, 12号線Concorde駅 |
時間 | 9:00-18:00 |
定休 | 毎週火曜日、5月1日、7月14日の午前、12月25日 |
料金 | 12.5ユーロ 18歳未満無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.musee-orangerie.fr/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
②ペール・ラシェーズ墓地(Cimetière du Père-Lachaise)
数多くの著名人が眠るペール・ラシェーズ墓地。
72歳で亡くなったマリー・ローランサンもここに埋葬されました。
ローランサンの遺言により、純白のドレスに包まれたローランサンの亡骸の手には、一輪の赤い薔薇と、胸には若き日にギヨーム・アポリネールから送られた手紙の束が置かれました。
なんともフランス人らしいロマンティックなエピソードですね。
同じくペールラシェーズに眠るアポリネールの墓もぜひ足を運んでみてください。
- フランスを代表するシャンソン歌手
エディット・ピアフ - イタリア出身の俳優・シャンソン歌手
イヴ・モンタン - アイルランド出身の作家・劇作家・詩人
オスカー・ワイルド - イソップ寓話で有名なフランスの詩人
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ - フランスのロマン主義を代表する画家
ウジェーヌ・ドラクロワ - フランスの文豪
オノレ・ド・バルザック - 長編小説「失われた時を求めて」
マルセル・プルースト - オペラの女王・ソプラノ歌手
マリア・カラス - エコール・ド・パリを代表する画家
アメデオ・モディリアーニ - ロマン派を代表する作曲家
フレデリック・ショパン - 印象派の画家
カミーユ・ピサロ - 画家・絵画収集家
ギュスターヴ・カイユボット - オペラ《カルメン》の作曲家
ジョルジュ・ビゼー - フランス6人組・作曲家
フランシス・プーランク - オペラ《セビリアの理髪師》の作曲家
ジョアキーノ・ロッシーニ - バルビゾン派の画家
カミーユ・コロー - 画家
ジョルジュ・スーラ - 新古典主義の巨匠
ドミニク・アングル - 新古典主義の画家
ジャック=ルイ・ダヴィッド - 女性前衛画家
マリー・ローランサン
詳しい情報に関しては「ペールラシェーズ墓地の行き方・営業時間・見どころ徹底ガイド」にまとめています。
ペール・ラシェーズ墓地 | |
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住所 | 16 Rue du Repos, 75020 Paris 地図 |
最寄り | メトロ2号線Philippe Auguste 駅 |
時間 | [11月-3月中旬] 8:00-17:30(月~金) 8:30-17:30(土) 9:00-17:30(日・祝) [3月中旬-10月] 8:00-18:00(月~金) 8:30-18:00(土) 9:00-18:00(日・祝) |
定休 | ー |
料金 | ー |
HP | https://pere-lachaise.com/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
マリー・ローランサンゆかりの地まとめ
エコール・ド・パリと呼ばれた多くの芸術家たちのなかでも、有望な新進画家として活躍したマリー・ローランサン。
幻想的な画風を確立し、「狂乱の時代」に一世を風靡した女性画家です。
優美で可憐な女性像を多く描き、時にはどこかアンニュイな雰囲気を漂わせる作品も残しています。
マリー・ローランサンは日本で非常に人気の高い画家で、世界初のマリー・ローランサン美術館が日本にありましたが、残念なことに閉館しています。
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かなり高額な宿泊代とはなりましたが、一生の思い出に1泊だけ泊まることができ悔いありません。
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