オクシタニー地域の人気観光都市
かつてのラングドック=ルシヨン地域圏とミディ=ピレネー地域圏が統合され、2016年からオクシタニーとして呼び名を変えました。
人口の多い都市としては、トゥールーズ、モンペリエがあげられ、ニーム、カルカソンヌ、アルビと続きます。
ラングドックは鴨肉で有名なので、この地方に来たらぜひ鴨のコンフィ、フォアグラも楽しんできてください!
トゥールーズ Toulouse
フランス第6の都市トゥールーズ。
エアバスを中心とする航空機産業の盛んな街で、トゥールーズ大学を中心に7万人以上の学生を擁す大学都市としても有名です。
赤レンガの建物が建ち並ぶ「バラ色の街」と呼ばれる旧市街には、ユネスコの世界遺産サン・セルナン・バジリカ大聖堂をはじめ、壮麗な赤レンガ造りの市庁舎とキャピトル劇場のあるキャピトル広場、13世紀に建てられたジャコバン修道院など、観光名所が集まります。
トゥールーズの発展を支えたのが、ユネスコの世界遺産に登録されているミディ運河。
17世紀に造られたガロンヌ川と地中海を結ぶ全長約240キロの運河で、貿易の重要な役割を果たしました。
ニーム Nîmes
フランス最古のローマ都市として知られるニーム。
古代ローマ時代の巨大な円形闘技場をはじめ、紀元前1世紀に建てられた神殿メゾン・カレ、ラ・フォンテーン庭園にあるディアヌの神殿とマーニュ塔など、街のいたるところにローマ遺跡が残っています。
ニームとアヴィニョンの中間には、古代ローマ時代に造られた巨大な水道橋ポン・デュ・ガールがあります。
ガール川にかかる長さ275メートル、高さ49メートルの3層のアーチ型石橋で、50キロも離れたユゼスの泉からニームまで1日に約2万平方メートルの水を引いていました。
「フランスの偉大な景勝地」に指定されており、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
モンペリエ Montpellier
モンペリエは、地中海に面した温暖な気候と、歴史的な建築物が調和し、古都としての面影を残しながらも、活気あふれる大学都市としての顔も持ち合わせています。
ヨーロッパ最古の医学部として知られ、フランソワ・ラブレーやノストラダムスといった著名な人物もここで学びました。
11世紀頃にはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の宿場町としても繁栄。
ユグノー戦争(カトリックとプロテスタントの)ではユグノーの拠点となり、一時的に荒廃したものの、17世紀に宰相リシュリューがモンペリエをラングドック地方の首都としたことで隆盛を取り戻します。
その後、コメデイ広場、凱旋門、水道橋など都市開発が成功し、今のモンペリエの姿となりました。
カルカッソンヌ Carcassonne
歴史的城塞都市と呼ばれるカルカソンヌは、「カルカッソンヌを見ずして死ぬなかれ」といわれるほどの人気観光地。
中世時代にタイムスリップしたかのような幻想的な世界が広がる魅力的な街で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
日本だけでなく世界中でも大人気の「進撃の巨人」の舞台と驚くほど似ていることから、漫画のモデルになった場所といわれています!
カルカッソンヌの見どころは、難攻不落の城といわれた二重の城壁を巡らした旧市街ラ・シテ。
ラ・シテの入り口には、カルカッソンヌの名前の由来となった女領主カルカスの胸像があります。
また城郭内のコンタル城やロマネスク様式とゴシック様式の融合したサン・ナゼール・バジリカ聖堂も必見です。
アルビ Albi
フランス南西部の古都アルビは「アルビの司教都市」として世界遺産に登録された街です。
世紀末に活躍したフランス人画家、トゥールーズ・ロートレックの出身ということでも知れられており、聞いたことがある人も多いかもしれません。
レンガ色の美しい街並みが魅力的な小さな街で、トゥールーズと似たような色合いですが、人が少なく穏やかな空気が流れ、ゆったりと散策が楽しめます。
見どころはそれほど多くはありませんが、大聖堂とロートレック美術館がただただ素晴らしく、この2ヶ所のためだけにでも滞在する価値のある街です。
ロカマドゥール Rocamadour
アルズー渓谷の絶壁にあるロカマドゥールは、キリスト教の重要な巡礼地の1つで、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路としてユネスコの世界遺産に登録されています。
1166年に聖アマドゥールの遺骸が腐敗せず完全に保存された状態で見つかり、それ以来、歴代のフランス国王をはじめ、たくさんの巡礼者がこの地を訪れるようになりました。
フランスで人気のチーズ、ロカマドゥールもこの村の名前から来ています。
コルド・シュル・シエル Cordes sur Ciel
世界遺産の街、アルビから30キロ。天空の街と言われる岩山にそびえる要塞都市、コルド・シュル・シエルも、アルビと同じくカタリ派の拠点でした。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路としても知られ、その美しさから、2014年にはフランス人が好きな村で1位に選ばれたこともあります。
コルド・シュル・シエルとは、天空のコルドという意味、1993年にこの名前がつけられたとか。
13世紀ころにつくられた建物が多いため、歩いていると、中世の世界に迷い込んだかのようです。
オクシタニー地域の名物・郷土料理
オクシタニー地方は鴨肉が有名で、街のビストロで食べられる名物料理がたくさんあります。
代表的なものとしては、鴨肉、フォアグラ、カスレなど。
名物を一気に堪能するなら、街の中心にあるビストロがおすすめ♡自家製カスレやコンフィなど、手ごろな価格で美味しい料理が楽しめます。
鴨のコンフィ (Confit de canard)
ビストロの定番メニューといえば鴨のコンフィ。フランス南西部の伝統料理です。
もともとは、常温保存できる保存食としてフランスで親しまれてきました。
鴨の腿肉を鴨脂とじっくり低温で煮込んだ料理で、パリッとした香ばしい皮に、ジューシーなお肉が味わえます。
鴨の旨味がギュッと凝縮された絶品料理、ぜひお試しあれ!
マグレ・ド・カナール(Magret de canard)
オクシタニー地方の代表的な料理にmagret de canardがあります。
トゥールーズのレストランでは必ずメニューにあり、多くの人が頼んでいました。
柔らかくジューシーな鴨肉は、クセになる美味しさ!日本でも食べたい!!と今でも思い出すほどです。
カスレ(Cassoulet)
カスレとは、フランス西南部の街の伝統料理で、白インゲン豆をたっぷり使い、お好みの肉(豚肉や羊肉の塩漬け、ガチョウやカモのコンフィなど)や香味野菜などを入れて長時間煮込んだ料理。
フランスの伝統料理だけあってボリュームがあり、高カロリーの料理。
長時間煮込んだ肉は、とても柔らかで、その肉から出た脂と旨味をたっぷりと吸い込んだ白インゲン豆は、口の中に入れた途端、とろけ出します。
日本人には少し重たく感じる料理なので、注文するときには、人数分より少なめに頼むのがおすすめ。
トゥールーズのソーセージ(Saucisson)
トゥールーズのソーセージは、トゥールーズの郷土料理カスレに欠かせないソーセージ。
円盤状にぐるぐる巻いた粗挽き生ソーセージで、香辛料が効いていて、日本人の口にも合います。
普段ソーセージ好きの娘は、ちょっと辛い(しょっぱい)と言っていたので、味付けが濃いのが苦手な人は、付け合わせと一緒に食べた方がいいかもしれません。
ロックフォールチーズ (Roquefort)
世界三大ブルーチーズの一つ、ロックフォールもオクシタニーの名産。
羊の乳で作られ、独特の青カビが特徴です。濃厚な風味と塩気は、ワインとの相性も抜群!
ぜひ青カビチーズの最高傑作を楽しんできてください♡
ロカマドゥールチーズ(Rocamadour)
ロックフォールと同様に有名なのが、山羊の生乳から作られたロカマドゥール。
円盤形のクリーミィなチーズで、山羊チーズ特有のクセがなく、ほんの少し甘味があります。
ロックフォールと違って食べやすいので、チーズが苦手な人以外は問題なく食べられると思います。
市場やチーズ専門店、スーパーなど、どこでも手に入りますが、ぜひ専門店の美味しいチーズに挑戦してほしいです。
写真左側のフレッシュなロカマドゥールは、まろやかでとっても優しい味。右側の少し寝かせたものはギュッと味が濃くなってどちらも美味しいので、ぜひ食べ比べてみてください!
オクシタニー地域のおすすめ土産
オクシタニーの多くの都市で、スミレやパステルの商品を見かけました。
色合いも香りも、優しくとっても素敵で、自分用の土産を購入。
その他、オクシタニーに限らず、フランス全域で購入できる定番土産は「フランス旅行の人気定番お土産」にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
スミレ
19世紀後半から20世紀前半まで、スミレ栽培の名産地として知られていたトゥールーズ。
現在もその名残で、街にはスミレの商品を取り扱ったお店がたくさんあります。
わたしのおすすめは、スミレのクリスタリゼ(砂糖漬け)♡見た目の可愛さとその香りにすっかり魅了されてしまいました。
コートダジュールでもよく見かけましたが、あちらはラベンダーの方が人気なので、トゥールーズの方が商品が豊富です。
パステル製品
かつてトゥールーズに富をもたらしたパステル。美しいブルーは心を落ち着かせてくれます。
基礎化粧などの美容アイテムからドリンクやキャンディ、バスグッズなど素敵なものが、売られていました。
オクシタニーの治安
オクシタニーは学生都市が多く、モンペリエやトゥールーズなどの大きい都市はやや治安に不安があります。
パリほどではないにしても、高価なブランド品を身につけたり、夜遅くに人通りの少ない場所へ行くのは非常に危険です。
もう少し田舎や小さな都市へ行けば、のんびりしていて穏やかに旅行することができますが、どこにいても気を抜きすぎないよう注意しましょう!
特にスマートフォンは狙われやすく、マップなどを見て気を取られている隙にスリに遭遇します。
突然近寄ってきてスマホをひったくられるケースもありますので十分に注意しましょう。
ハイブランドを購入した後はメトロは使わずタクシーでホテルに戻るか、ショッピングバッグに入れ替えて移動することを強くおすすすめします!!
被害に遭ってしまうと精神的にもせっかくの旅行が台無しになってしまうので、旅行を楽しむために防犯対策はしっかりと行いましょう。
スリ対策の基本
このエリアに限った話ではありませんが、フランス旅行ではスリとの遭遇が日常茶飯事です。
万が一に備えて準備しておきましょう。
たとえば
- 海外旅行保険付帯のクレカを使う
- 現金は100ユーロ以下で基本クレカ払い
- 高くても治安重視でホテルをとる
などは必須レベルでおすすめしたいです。
海外旅行保険に入る
ことフランスに関しては、海外旅行保険は絶対に必要です。
毎月海外旅行へ行き、パリへ何度も渡航しているわたしですら、何度もスリに狙われました。未だに盗られていなのは運が良かっただけだと思っています。
ですので、どこの会社のどんなプランでも構いませんので、出国前にあらかじめ携行品保証が入っている保険に入っておきましょう。
わたしは、毎回入るのが手間なのと結構お金がかかってしまうという理由から、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを複数枚持って備えています。
海外旅行保険付きのクレジットカードを持っていない方は、ぜひこの機会に1枚作成されることを強くおすすめします。
特に、年会費無料で海外旅行保険自動付帯のエポスカードは作らない理由がありません。
(エポスカードというと一般的には“マルイのカード”というイメージが強いですが、実は年会費無料で海外旅行保険が自動付帯なのは他の無料カードにはない隠れた魅力。未所持の方は迷わず作って損はないですし、年会費のかかるカードに苦手意識がある方の選択肢はエポスカード一択です。)
そのほかクレジットカードについては「フランス・パリ旅行に必携!現地で使えるおすすめクレジットカード」の記事で詳しく解説しています。
オクシタニーの街をもっと楽しむ
現地ツアーで周る
フランスは場所によって治安面に不安はあるものの、個人旅行で問題なく観光できます。
わたしも大抵の場合は個人で滞在しますが、ガイド付きで周った時の経験は忘れられません。
オクシタニーの現地ツアーを調べてみたので、ぜひ旅の計画に活用ください。
ベルトラの現地ツアーは日本語ガイド付きツアーが多くて価格も良心的なので、わたしたちもよく利用しています。
- フランス南西部 世界遺産巡りツアー 城塞都市カルカソンヌ&アルビ司教都市を訪問<終日/英語ドライバー/トゥールーズ発>
- フランス南西部 観光ツアー 巡礼路コンクと選べる観光地 世界遺産アルビまたは天空の村コルド・シュル・シエル<終日/英語ドライバー/トゥールーズ発>
- フランス南西部 観光ツアー 巡礼地ロカマドール&断崖の村サン・シル・ラポピー<終日/英語ドライバー/トゥールーズ発>
フランスの偉人・芸術家ゆかりの地をめぐる
自分がフランスに行くとき、こんな記事があったらいいな…を形にしました。
大好きなゴッホ、ルノアール、モネを出発点に、フランス国内ゆかりの地スポットをまとめています。
オクシタニーには、アルビという街があり、画家ロートレックゆかりの場所として有名です。
ガイドブックは持っておいて損なし
ガイドブックはスマホやタブレットで読める電子書籍でも問題ありませんが、現地では情報の探しやすさ重視で、紙のガイドブックを1冊持っておくことをおすすめします。
フランス関連の書籍を20冊以上読んで厳選した中で、わたしたちがおすすめするガイドブックは地球の歩き方です。
ツアーガイドや旅慣れた人が購入するのはやはり地球の歩き方。
全579ページはもはやガイドブックというより教科書レベル。
内容もかなり充実しており、その国の文化、歴史、生活習慣なども理解できるため、旅の満足度が格段にあがります。
20年旅を続けて痛感していますが、まったく知識がない場所だと人はなかなか感動できないものです。背景を知って初めて心に響いたという経験が何度もあります。
パリやニース以外の地方都市の情報が詳しく載っているので周遊するには欠かせない1冊。
フランスのハイライトはもちろん、文化やアート情報、お土産屋グルメに関しても詳しく紹介されています。
現地で体調を崩した時や犯罪に巻き込まれた時の連絡先や緊急時の医療会話まで載せているのは本当に素晴らしいと思います。