マリー・ブラックモンは、印象派の数少ない女性画家の一人です。同じ印象派の女性画家ベルト・モリゾやメアリー・カサットと並んで3大女性画家と言われていますが2人と比べて印象が薄いかもしれません。
印象派を代表する実力の持ち主でしたが、夫の干渉により心を患い、50歳で絵画の制作をやめてしまいました。
もともと作品数が少ない上、個人蔵の作品が多いため、マリー・ブラックモンの作品をあまり目にする機会がありませんが、印象派ならではの明るく柔らかなタッチの作品を残しています。
当ブログ「フランスボックス」では、絵付けの仕事を続けながら画家として制作活動をしたマリー・ブラックモンゆかりの地をご紹介していきます。
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このページの目次
マリー・ブラックモン(Marie Bracquemond)とは?
マリーブラックモン(Marie Bracquemond) | |
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出没年 | 1840年12月1日-1916年1月17日 75歳で死去 |
様式・流派 | 印象派 |
出身 | フランス(ランデュンヴェ) |
代表作 | 《日傘を持つ3人の女性》オルセー美術館 《白いドレスの女性》オルセー美術館 《セーヴルのテラスにて》ジュネーブ・プチ・パレ美術館 《セーヴルのテラスにて》石橋財団アーティゾン美術館 |
影響を受けた人物 | エドゥアールマネ、アルフレッドシスレー、ポールゴーギャン |
幼少期から学生時代
1840年12月1日、マリー・ブラックモンはブルターニュのランダンヴェに誕生しました。結婚前の名は、Marie Anne Caroline Quivoronといい、庶民階級の出身です。
マリーが生まれてすぐに船長であった父親が他界したため、母親は再婚しましたが、しばらく定住せずフランスやスイスを渡り歩きました。
1850年、画家Auguste Vassortから絵画の基礎を学びます。
芸術キャリア
1857年、サロンで初入選。知人の紹介で新古典主義の巨匠Dominique Ingresに弟子入り。
しかし描くものは花や果物などの静物画や肖像画と制限がかけられ、男性たちと同じように学べないことに不満を感じていました。
1867年、ルーブル美術館で模写をしていたときに、画家で版画家のフェリックス・ブラックモンと出会います。
1869年、母親に反対されましたが、フェリックス・ブラックモンと結婚。
フェリックスはマリーの交友関係や仕事の幅を広げてくれた反面、批判や束縛、口出しするなどマリーの仕事に反対していたようです。
マリーの仕事を快く思わず、応援どころか邪魔をしてくるようなフェリックスをけん制し、1874年、75年と2年連続でサロンに入選。
夫の友人Edgar DegasやÉdouard Manet、Alfred Sisleyらの影響を受けて、アングルから学んだ新古典主義のスタイルから印象派のスタイルへと移ります。
1879年と1880年に、夫婦揃って印象派展に参加。マリー・ブラックモンは、1886年の最後の印象派展にも出品しています。
1886年、ポール・ゴーギャンに出会い、強い影響を受けます。
晩年
素晴らしい作品を次々と生み出しましたが、50歳になったころフェリックスとの軋轢や衝突に疲弊し絵を描くことをやめてしまいます。
ついには自閉症のようになり、家から出ることもほとんどなくなりました。
1916年1月17日、夫が亡くなって2年後、マリー・ブラックモンは76年の生涯を閉じました。
マリー・ブラックモンゆかりの地
①オルセー美術館(Musée d’Orsay)
もともとマリー・ブラックモンの作品は少なく、個人蔵が多いため、マリー・ブラックモンの作品を鑑賞できる美術館は限られています。
印象派絵画の殿堂といわれるオルセー美術館では、その貴重な作品を見ることができます。
《日傘を持つ3人の女性》や《白いドレスの女性》は、マリー・ブラックモンを代表する作品です。
オルセー美術館 | |
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住所 | 1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ12号線Solférino駅 |
時間 | 9:30-18:00(火水金土) 9:30-21:45(木) ※閉館時間の45分前まで入場可能 |
定休 | 毎週月曜日、5月1日、12月25日 |
料金 | 16ユーロ 18歳以下無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.musee-orsay.fr/ |
チケット | オルセー美術館チケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
マリー・ブラックモンゆかりの地まとめ
マリー・ブラックモンは、画家で版画家でもあった夫フェリックス・ブラックモンを通じて印象派の画家たちと知り合いましたが、妻の才能に嫉妬した夫により活動が束縛され、晩年は絵を描くことを諦めてしまいました。
女性が画家になるのが難しい時代、ベルト・モリゾのように夫のサポートなくして続けることは非常に困難なことだったのでしょう。
まだまだ女性と男性の立場が完全に同じというわけではありませんが、この100年で随分平等に近づいてきたと感じます。
次の世代には女性がなんの足かせもなく自由に羽ばたけるようになってほしいものですね。
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