《眼=気球》や《キュクロプス》など想像上の奇妙な生き物を描いたことで知られるオディロン・ルドン。
色彩に頼らず、鉛筆や木炭、版画など「黒(ノワール)」と呼ばれる独自の世界観を生み出しました。晩年には油絵やパステルを使い、自分の技法や作風に固執することなく全く違った作品を描きました。
当ブログ「フランスボックス」では、「黒」が主体の芸術から「色彩」の芸術に変わったオディロン・ルドンゆかりの地をご紹介していきます。
三菱一号館美術館にある《グラン・ブーケ》も素晴らしいのでぜひ東京でもご覧ください。
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このページの目次
オディロン・ルドン(Odilon Redon)とは?
オディロンルドン(Odilon Redon) | |
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出没年 | 1840年4月20日-1916年7月6日 風邪をこじらせ76歳で死去 |
様式・流派 | 象徴主義 |
出身 | フランス(ボルドー) |
代表作 | 《眼=気球》ニューヨーク近代美術館 《眼を閉じて》オルセー美術館 《青い花瓶のアネモネとリラ》パリ市立美術館(プチ・パレ) |
影響を受けた人物 | カミーユコロー、ウジェーヌドラクロワ、ファンタンラトゥール、アルマンクラヴォー、ジャポニズム |
幼少期
1840年4月20日、オディロン・ルドンは、フランス南西部にあるワインの生産地で有名なボルドーの裕福な家庭に誕生しました。
病弱だったルドンは、ボルドー近郊のワイン農園ペイル・ルバードにある叔父の家で育てられます。
本名はBertrand-Jean Redonですが、終生用いた愛称「Odilon 」は、母親の通称「Odile」に由来。
1851年、健康を改善したルドンは、両親の元に戻ります。
1855年、画家Stanislas Gorinの元で素描を開始。20歳頃、植物学者のArmand Clavaudと知り合い顕微鏡に夢中になります。
1862年、父親の希望もあって、エコール・デ・ボザール(パリ国立美術学校)の建築科を受験するも失敗。
1864年、パリに出て、画塾Jean-Léon Gérômeに入門しましたが、数ヶ月で辞めています。
ボルドーに戻り、銅版画家Rodolphe Bresdinに師事。
この頃、バルビゾン派の風景画家Camille Corotやロマン主義の画家Eugène Delacroixから多大な影響を受けます。
芸術キャリア
1868年、油彩画でサロンに入選。
1870年、普仏戦争が始まると従軍しますが、病気になり除隊。
1878年、画家Henri Fantin Latourからリトグラフを学びます。
1879年、初のリトグラフ集「夢の中で」を刊行。
1880年、Camille Fargueと結婚し、1886年に長男が生まれましたが、半年で亡くなってしまいます。
1889年、次男が誕生すると、画風に大きな変化が現れました。パステルや油彩を使った明るく華やかな作品を制作します。
1894年、デュラン・リュエル画廊で回顧展が開かれます。
1904年、レジオン・ドヌール勲章を受賞。ルドンの代表作《眼を閉じて》は、初めて国家買い上げとなった作品です。
1916年7月6日、オディロン・ルドンは風邪をこじらせて、パリの自宅で息を引き取りました。享年76歳でした。
オディロン・ルドンゆかりの地巡りベストシーズン
どの季節も素晴らしいのですが、パリの街を散策するなら気候の良い春から秋にかけてがおすすめです。
4月~10月までは営業時間が延びる施設が多く、多くのスポットを観光することができますよ!
美術館巡りであればあえて空いているオフシーズンの冬でも全く問題ありません。
美術館だけがお目当てであれば、あえてオフシーズンでリーズナブルな冬の期間も良いと思います。
オディロン・ルドンゆかりの地3選
①オルセー美術館(Musée d’Orsay)
セーヌ川沿いに佇むオルセー美術館には、オディロン・ルドンの作品が数多く所蔵されています。
初めて国家買い上げとなった《眼を閉じて》をはじめ、《自画像》、《笑う蜘蛛》、《聖母の窓》、《ポール・ゴーギャンの肖像》、《エヴァ(イヴ)》、《アポロンの二輪馬車》、《エジプトへの逃避》、《コキール》、《ジャンヌ・ダルク》など、オディロン・ルドンの代表作を鑑賞することができます。
オディロン・ルドンは印象派の画家たちと同時代ですが、作風やテーマは大きく異なります。
強烈な個性をもち、神秘に満ちた幻想的な世界を描き続けました。
オルセー美術館 | |
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住所 | 1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ12号線Solférino駅 |
時間 | 9:30-18:00(火水金土) 9:30-21:45(木) ※閉館時間の45分前まで入場可能 |
定休 | 毎週月曜日、5月1日、12月25日 |
料金 | 16ユーロ 18歳以下無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.musee-orsay.fr/ |
チケット | オルセー美術館チケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
②パリ市立美術館/プチ・パレ(Musée des Beaux-Arts de la Ville de Paris/Petit Palais)
プチ・パレは、1900年のパリ万国博覧会の際に美術作品展示会場として建設されました。
現在はプチ・パレ美術館として、パリ市が所蔵する美術品を展示しています。
プチ・パレ美術館の所蔵する美術品は多岐に渡り、象徴主義を代表する画家オディロン・ルドンの作品もあります。
代表作の《青い花瓶のアネモネとリラ》をはじめ、《蝶と花》、《ヴィーナスの誕生》、《アラブの楽人》などを鑑賞することができます。
プチ・パレ | |
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住所 | Avenue Winston Churchill, 75008 Paris 地図 |
最寄り | メトロ1,13号線Champs-Elysées-Clémenceau駅 |
時間 | 10:00-18:00 |
定休 | 月曜日 1月1日、5月1日、7月14日、11月11日、12月25日 |
料金 | 11ユーロ 常設展は無料 |
HP | https://www.petitpalais.paris.fr/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
③ボルドー美術館(Musée des Beaux-Arts de Bordeaux)
フランス南西部に位置する一大ワインの産地ボルドー。交易とワインで栄えたフランス有数の港街です。
ボルドー市庁舎の隣に建つボルドー美術館は、1801年に開館しました。
1870年に火災に見舞われ、建物の一部やドラクロワの絵画16枚を含むコレクションの一部が焼失し、1875年から1881年にかけて再建されました。
幼年期をボルドーで過ごしたEugène Delacroixの傑作《ライオン狩り》は、この火災で絵画の上部を焼失していますが、オディロン・ルドンがオリジナルを模写していたことでも有名です。
ボルドー美術館には、オディロン・ルドンをはじめ、ドラクロワやPierre Lacourなど、ボルドーゆかりの画家の作品をはじめ、ヨーロッパ絵画の名作を鑑賞することができます。
《神秘的な騎士、あるいはオイディプスとスフィンクス》、《聖母》、《アポロンの戦車》、《メドックの秋》など、オディロン・ルドンの青年期から晩年にかけての作品を所蔵しています。
ボルドー美術館 | |
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住所 | 20, cours d’Albret, 33000 Bordeaux 地図 |
行き方 | パリからボルドーまで電車で行く場合、パリのモンパルナス駅(Gare Montparnasse)からTGVでボルドー・サン・ジャン駅(Gare de Bordeaux-St-Jean)まで約2時間。ボルドー・サン・ジャン駅からトラムAまたはB路線でPalais de JusticeまたはHôtel de ville下車。ボルドー美術館まで徒歩約1分。 |
時間 | 11:00-18:00 |
定休 | 火曜日、祝日 ※7月14日と8月15日は開館 |
料金 | 8ユーロ 18歳以下無料 |
HP | https://www.musba-bordeaux.fr/ |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
オディロン・ルドンゆかりの地まとめ
オディロン・ルドンの作品の多くは、一度目にしたら忘れられないほど見る人を惹き付ける独特の力を持っています。
植物学者のArmand Clavaudから強い影響を受け、怪奇で幻想的な世界の作品を生み出す源になりました。
50歳を過ぎた頃から、黒一色の世界から油絵やパステルを使った色彩の世界へと作風が変わりますが、ルドン独自の世界観は健在で、今なお多くの人々を魅了し続けています。
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