ロマン主義に次いで誕生したのが写実主義(レアリスム)で、その代表的な画家がギュスターヴ・クールベです。
自分の目で見たものをありのままに描き出し、写実主義(レアリスム)運動を牽引。
パリ万国博覧会で大作の出品が拒否されると、世界初の個展を開催し、のちの画家たちに多大な影響を与えました。
当ブログ「フランスボックス」では、モダニズムの発展に大きな影響を与えた写実主義の画家ギュスターヴ・クールベゆかりの地をご紹介していきます。
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このページの目次
ギュスターヴ・クールベ(Gustave Courbet)とは?
ギュスターヴクールベ(Gustave Courbet) | |
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出没年 | 1819年6月10日-1877年12月31日 58歳で死去 |
様式・流派 | 写実主義 |
出身 | フランス(オルナン) |
代表作 | 《オルナンの埋葬》オルセー美術館 《画家のアトリエ》オルセー美術館 《オルナンの食休み》リール市立美術館 |
影響を受けた人物 | レンブラント、フランスハルス |
影響を与えた人物 | 印象派の画家たち |
幼少期
1819年6月10日、ギュスターヴ・クールベは、スイスとの国境に近いフランス東部の街Ornansの裕福な農家の家庭に誕生。
三姉妹がおり、よく絵画のモデルとなりました。
1831年、カトリック系の中学校に入学し、そこでデッサンを学びます。
1837年、画家Charles Flajoulotのもとで絵画の基礎を学びます。
1840年、父親の希望でパリのソルボンヌ大学法学部に入学。
しかし画家の夢を諦めきれないクールベは、法律を学ぶ傍らアカデミー・シェイスに通い、ルーブル美術館で巨匠たちの作品を模写に明け暮れました。
芸術キャリア
1844年、《黒い犬を連れた自画像》がサロンに初入選。
1845年には《ギタレロ》、1846年には《革のバンドをした男》がサロンで次々と入選。
1846年から1847年にかけてオランダとベルギーを旅行し、オランダの巨匠Rembrandt van RijnやFrans Halsなどの作品に大きな衝撃を受けます。
1848年、社会主義思想に賛同し、2月革命に参加。
1849年、《オルナンの食休み》が巨匠Dominique Ingresや、Eugène Delacroixから大絶賛を受けます。
作品は国家に買い上げられ、リール市立美術館に所蔵されました。
1851年、クールベを一躍有名にしたのがサロンに出品された《オルナンの埋葬》。
出品するや否や猛烈に批判されました。
それまでの西洋絵画の大型作品といえば、歴史画や宗教画を主題にした高貴なものに限られていました。
しかしクールベは、故郷オルナンの葬儀という一般の人をモデルにした風俗画を描くという大胆な試みに挑戦。
身分の低いものを大型キャンバスに描くのが許されないなどというのは現在のわたしたちからするとわけがわかりませんが、そういう時代だったのです。
クールベは先進性を持ちすぎていたがゆえに体制から目をつけられることになります。
1853年、美術愛好家Alfred Bruyasは、サロンで批判を受けたギュスターヴ・クールベの作品《水浴びする女たち》と《眠る糸紡ぎ女》を購入し、以後クールベの後援者となります。
1855年、パリ万国博覧会に14作品を出品。
しかしクールベの大作《画家のアトリエ》と《オルナンの埋葬》の出品は拒否されてしまいます。
そこでクールベは美術愛好家アルフレッド・ブリュイヤスの支援を受け、博覧会会場近くに「レアリスムのパビリオン」と名付けた小屋を建て、「ギュスターヴ・クールベ作品展」を開催。
1860年代になると風景画や狩猟画などの作品がサロンで評価されるようになります。
1870年、ナポレオン3世によりレジオン・ドヌール勲章を授与されましたが、それを拒否。
1871年、パリ・コミューンに参加し、ヴァンドーム広場の円柱破壊事件の責任を問われて逮捕され、6ヶ月の禁固刑を受けます。
1873年、ヴァンドーム広場の円柱破壊で膨大な費用の支払を命じられたクールベは、スイスに亡命。
1877年12月31日、ギュスターヴ・クールベは母国に戻ることなく、スイスのLa Tour-de-Peilzで58年の生涯を閉じました。
ギュスターヴ・クールベゆかりベストシーズン
フランスのベストシーズンは1年中と言っても過言ではありません。
どの季節も素晴らしいのですが、お墓参りやパリの街を散策するなら気候の良い春から秋にかけてがおすすめです。
4月~10月までは営業時間が延びる施設が多く、多くのスポットを観光することができますよ!
美術館巡りであればあえて空いているオフシーズンの冬でも全く問題ありません。
ギュスターヴ・クールベゆかりの地3選
①オルセー美術館(Musée d’Orsay)
パリにあるオルセー美術館は、19世紀の美術専門の美術館で、19世紀を代表する写実主義の画家ギュスターヴ・クールベの代表作も所蔵されています。
大作《オルナンの埋葬》は、当時の美術界にスキャンダルを巻き起こした作品です。
《画家のアトリエ》もまた、《オルナンの埋葬》と同様に巨大なキャンバスに描かれた大作で、描かれた人物は、何らかの寓意を表しています。
他にもスキャンダラスな絵画として世界中に衝撃を与えた《世界の起源》は、エロティシズムを包み隠さず表した作品で、わたしも学生時代に見た時は衝撃を受けました。
オルセー美術館 | |
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住所 | 1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ12号線Solférino駅 |
時間 | 9:30-18:00(火水金土) 9:30-21:45(木) ※閉館時間の45分前まで入場可能 |
定休 | 毎週月曜日、5月1日、12月25日 |
料金 | 16ユーロ 18歳以下無料 ミュージアムパスOK |
HP | https://www.musee-orsay.fr/ |
チケット | オルセー美術館チケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
②クールベ美術館(Musée Courbet)
ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方にあるオルナンは、写実を追求したギュスターヴ・クールベの生誕の地です。
クールベの描いた美しい景色が残る街には、クールベのゆかりのスポットが点在します。
クールベが制作した《カジカ捕り》の彫刻が据えられたクールベ広場の噴水や《オルナンの埋葬》を描いたアトリエも残っています。
またクールベが生まれ、幼少時代を過ごした生家も残っており、現在はクールベ美術館として生まれ変わっています。
クールベ美術館には、クールベの初期の作品から写実作品、後期の風景画などが展示され、クールベの歴史を辿りながら作品の鑑賞が楽しめます。
パリ・コミューンに参加した後に投獄されたサン・ペラジー刑務所で描いた《サン・ペラジー刑務所の自画像》や《オルナンの眺め》をはじめ、亡命先のスイスの風景画など、クールベの素晴らしいコレクションが揃っています。
クールベ美術館 | |
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住所 | 1, Place Robert Fernier 25290 Ornans 地図 |
行き方 | パリのリヨン駅(Gare de Lyon)からTGVでBesançon駅まで約2時間30分。ブザンソン駅からOrnansへは、Pontarlie行きのバスで約45分。 |
時間 | 【6月-9月】 10:00-18:00【10月-5月】 14:00-17:00(月曜日) 10:00-12:00 / 14:00-17:00(水-日曜日) |
定休 | 火曜日、1月1日、5月1日、11月1日、12月25日 |
料金 | 8ユーロ(常設展6ユーロ) 18歳以下無料 |
HP | http://www.musee-courbet.fr |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
③リール宮殿美術館(Palais des Beaux-Arts de Lille)
ベルギーとの国境に近いフランス北部の街リールは、工業都市として栄えた街で、中世時代、フランドル伯爵領であったことから「フランドル・フランセーズ」と呼ばれています。
北の玄関口として知られ、鉄道、高速道路、空港など交通の便に恵まれ、近隣諸国へのアクセスも容易にできます。
街の見どころの1つにリール宮殿美術館があります。
1809年に開館した美術館で、新古典主義様式の美しい外観をもちます。
ルーブル美術館に次ぐ豊富なコレクションを所蔵し、中世から近代美術に至る絵画、彫刻、陶磁器、デッサンなど、時代・分野ともに幅広い内容のコレクションが展示されています。
Peter Paul Rubensの《キリスト降架》やAnthony van Dyckの《十字架の上のキリスト》などリールという土地柄、充実したフランドル絵画も揃います。
また新古典主義、ロマン主義、写実主義の画家たちの作品も多く展示されており、1849年に国家により買い上げられたギュスターヴ・クールベの《オルナンの食休み》も見ることができます。
リール宮殿美術館 | |
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住所 | Place de la République, 59000 Lille 地図 |
行き方 | パリの北駅(Gare du Nord)からTGVでリール・フランドル駅(Gare de Lille-Flandres)まで約1時間。リール・フランドル駅から美術館まで徒歩約10分。 |
時間 | 14:00-18:00(月曜日) 10:00-18:00(火-日曜日) |
定休 | 1月1日、5月1日、7月14日、11月1日、12月25日 |
料金 | 7ユーロ 12歳以下無料 第1日曜日無料 |
HP | https://pba.lille.fr |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
ギュスターヴ・クールベまとめ
フランスの美術界にスキャンダルを巻き起こし、「フランス美術界の反逆児」と呼ばれたギュスターヴ・クールベ。
現実を理想化して表現するそれまでの絵画を否定し、自分が実際に見たものだけを描き続けた近代絵画の革新者でした。
晩年は、堅実な技法で狩猟画や風景画を描き、彫刻も制作しています。
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かなり高額な宿泊代とはなりましたが、一生の思い出に1泊だけ泊まることができ悔いありません。
ヴァンドーム広場が目の前で、オペラ座までも500mと観光するにも抜群の立地。
絶対に忘れられない滞在になること間違いなしなので1泊だけでもぜひ検討してみてください!