《考える人》や《地獄の門》で知られるフランス人彫刻家オーギュスト・ロダン。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍し、近代彫刻に大きな影響を与えたことから、「近代彫刻の父」と呼ばれています。
《考える人》は世界的に人気があり、世界中で鋳造されているので誰しもが一度は見たことがあるでしょう。
このページでは、フランスを代表する彫刻家オーギュスト・ロダンの人物像、そしてロダンゆかりの地について解説していきたいと思います。
どのような人生を送り、作品を作り続けたのか。ロダンの人生を知ることで、また違った感じ方ができるかもしれません。
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このページの目次
オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)とは?
オーギュストロダン Auguste Rodin | |
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出没年 | 1840年11月12日-1917年11月17日 77歳で死去 |
様式・流派 | 彫刻 |
出身 | パリ |
代表作 | 《考える人》ロダン美術館 《地獄の門》ロダン美術館 《カレーの市民》ロダン美術館 |
影響を受けた人物 | ミケランジェロ |
影響を与えた人物 | カミーユ・クローデル、白樺派 |
幼少期
オーギュスト・ロダンは、1840年パリ生まれ。14歳から工芸学校に通い始め、絵画やデッサンを学びます。
専門教育を受けるため、国立美術学校「École des Beaux-Arts」の入学を志願しましたが、3度にわたって失敗し、室内装飾の職人として働くことに。
1863年、動物彫刻家として知られるAntoine Louis Baryeに弟子入り。
翌年、ロダンは裁縫職人だったRose Beuretと知り合い、その後長男Auguste Eugène Beuretをもうけました。
しかし普仏戦争の影響で仕事が減り、生活が厳しくなったため、職を求めて一家でベルギーへ移り住みます。
1875年、念願だったイタリアへ旅行で、ロダンはミケランジェロの彫刻を目にし、深く感銘を受けます。
そして再び彫刻家としての道を歩み始めます。
芸術キャリア
1877年にAuguste Neytをモデルにした等身大の男性像《青銅時代(L’ ge d’Airain)》を制作し、パリのサロンで発表。
憤慨したロダンは身の潔白を証明するため、その後さまざまなサイズで同じ作品を制作しました。
最終的にフランス政府は、この《青銅時代》を買い上げ、これにより彫刻家としての名が知れ渡ります。
1879年にロダンは、フランス政府から国立装飾美術館のモニュメント制作の依頼を受けます。
ダンテの《神曲》から着想を得た《地獄の門 La Porte de l’enfer》に着手しましたが、1888年に美術館建設の中止にともない、《地獄の門》の制作依頼も白紙となりました。
有名な《考える人 Le Penseur》や《3つの影 Les Trois Ombres》などの人物像は、この《地獄の門》から独立して作られた像です。
ロダンが43歳のとき、あのCamille Claudelが弟子入りしました。
ロダンは若く美しく才能に溢れるカミーユに魅せられ、24歳の年齢差がありながらも2人は次第に愛し合うように。
こうしてカミーユは、ロダンの弟子・愛人・共同製作者として数々の作品を手がけていきました。
しかしロダンには、内縁の妻ローズが…。
のちにカミーユはロダンの子を妊娠しますが、ロダンに産むことを反対され中絶。1898年、ついにロダンとカミーユは決別。
最終的にロダンに裏切られた形となったカミーユは、次第に精神のバランスを崩し、発狂してしまいます。
家族によって精神病院へ入れられたカミーユは、30年もの歳月を精神病院で過ごし、家族に看取られることなく孤独に生涯を閉じました。
1884年、ロダンはフランス北部の街カレーから記念像の制作を依頼されます。この《カレーの市民 Les Bourgeois de Calais》は、ロダンの代表作品の1つとなりました。
1889年、ロダンは《地獄の門》の上部から地獄の情景を見下ろしている男性像《詩人 Le Poète》を制作します。
この作品は、のちに鋳造家のRudierによって《考える人》と名付けられました。
同年、パリのジョルジュ・プチ画廊(Galerie Georges Petit)で、画家Claude Monetと彫刻家オーギュスト・ロダンの2人展を開催。
ロダンは《考える人》や《カレーの市民》などの代表作を含む36作品を出品し、彫刻家としての地位は不動のものになりました。
1891年、フランス文芸家協会から同協会の初代会長であった小説家Honoré de Balzacの記念像の制作を依頼されます。
1898年にガウンをまとったバルザックの石膏像が完成しましたが、文芸家協会は「フランスが誇る偉大な作家を侮辱するもの」として作品の受け取りを拒否。
結局、この作品はロダンが引き取りました。そしてロダンの死後、1939年にブロンズに鋳造され、パリのラスパイユ大通りに設置されることになったのです。
1900年には、パリで開催された万国博覧会におけるアルマ広場の特設パヴィリオンで大回顧展を開催し、これにより更なる名声を確立。
晩年
1917年、77歳のロダンは死期の迫ったローズとついに結婚します。
73歳だったローズは、その16日後に亡くなりました。それから9ヶ月後の11月17日、ロダンもローズの後を追うようにムードンで亡くなっています。
「パリに残した若いほうの妻に会いたい。」という最後の言葉を残して…。
ロダンゆかりの地巡りのベストシーズン
フランスのベストシーズンは1年中と言っても過言ではありません。
どの季節も素晴らしいのですが、ロダン美術館のお庭を楽しむのであれば気候の良い春から秋にかけてがおすすめです。
4月~10月までは営業時間が延びる施設が多く、多くのスポットを観光することができますよ!
ロダンゆかりの地2選
①ロダン美術館(Musée Rodin)
パリ7区、アンヴァリッド(Les Invalides)近くの閑静な住宅街にロダン美術館があります。
18世紀に建てられた「ビロン館(Hôtel Biron)」と呼ばれた貴族の館で、ロダンは1908年から亡くなる1917年までの9年間、アトリエ兼自宅として使っていました。
自分の作品と自らが収集したコレクションを国に寄贈する代わりに、美術館として残して欲しいと提案。
その提案の通り、ロダンが亡くなった2年後の1919年に、ロダン美術館は開館しました。
《考える人》や《地獄の門》、《カレーの市民》をはじめ、館内と庭園の両方で彫刻の鑑賞が楽しめます。
またロダンのかつての恋人であり、弟子であったカミーユ・クローデルの作品を集めた部屋もあります。
精神を病んだカミーユは自身の作品を多く破壊したため、残された作品は90点ほどですが、「ロダンの共同制作者」と呼ばれるようになったカミーユの作品をロダン美術館で見ることができます。
美術品収集家でもあったロダンは、Vincent Van Goghの《タンギー爺さん Le Père Tanguy》をはじめ、Claude Monet、Auguste Renoirなどの作品を所蔵していました。
そのためロダン美術館では、ロダンの収集した素晴らしいコレクションも合わせて鑑賞することができます。
また美術館には、3ヘクタールからなる広大なフランス庭園があり、《考える人》や《地獄の門》、《カレーの市民》、《オノレ・ド・バルザック》などの巨大彫刻が展示されています。
詳しい情報に関しては「パリのロダン美術館へ行ってきた!行き方・入場料・見どころ徹底ガイド」にまとめています。
ロダン美術館 | |
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住所 | 77 Rue de Varenne, 75007 Paris 地図 |
最寄り | メトロ13号線Varenne駅 RER C線Invalides駅 |
時間 | 10:00-17:45 |
定休 | 1月1日、5月1日、12月25日 |
料金 | 大人14ユーロ 18歳未満無料 ミュージアムパスOK |
HP | http://www.musee-rodin.fr/ |
チケット | ロダン美術館チケット |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
②ムードンのロダン美術館(Musée Rodin Meudon)
Jean-Pierre Dalbéra from Paris, France, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons
パリの南西に位置するムードンは、ロダンが愛した街です。実はここに、もう1つのロダン美術館があります。
1895年、ロダンはムードンの小高い丘の上にある「Villa des Brillants」を購入。
ブドウ畑が広がり、セーヌ川を眺望できる素晴らしいロケーションにあります。
サロンやダイニングルームは当時のままの形で残され、ロダンが収集した古代美術のコレクションが飾られています。
館に隣接したガラス張りのアトリエで、ロダンは50人ほどの石工や鋳造工、弟子たちと数々の作品を制作しました。
《地獄の門》をはじめ、《カレーの市民》、《青銅時代》、《オノレ・ド・バルザック》、《ヴィクトル・ユーゴー記念碑》などの石膏作品が展示されています。
77歳でこの世を去ったロダンの遺骸は、館の庭にローズと共に埋葬され、2人の墓の上には《考える人》が置かれています。
ムードンのロダン美術館 | |
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住所 | 19 Avenue Auguste Rodin, 92190 Meudon 地図 |
最寄り | RER C線Issy駅から徒歩16分 |
時間 | 13:00-18:00(金土日) |
定休 | 月曜-木曜、1月1日、5月1日、12月25日 |
料金 | 無料 ミュージアムパスOK |
HP | http://www.musee-rodin.fr/en/meudon |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。
オーギュスト・ロダンゆかりの地まとめ
大胆かつ力強い表現力をもつロダンの作品は、見る者の心を魅了します。
2週間でパリとパリ近郊の美術館、博物館を巡りましたが、ロダン美術館は学生が多くデッサンの勉強に励んでいるのが印象的でした。
ふたりの女性の間で揺れ、現代の日本からみると男性としてはちょっと…と思うところもありますが、フランスの芸術家はだいたい似たようなものですね(笑)
近代彫刻の父と称されたオーギュスト・ロダンゆかりの地を訪れ、愛と情熱に生きたロダンの生涯に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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