オー・ド・フランス(ピカルディ・カレー)地域の人気観光都市
フランスの北側、ベルギーやイギリスとの国境近くにあるこのエリアは、かつてのピカルディー地域圏とカレー地域圏があったところ。
2016年から統合され、オー・ド・フランスとして呼び名を変えました。
フランドル伯領だったリールに大聖堂で有名なアミアン、パリ近郊のシャンティ城、コンピエーニュ城、ピエールフォン城など気になる観光スポットが点在しています!
フランスの北側というと、気候的には寒い地域になるので、南と比べると旅行者はそれほど多くありません。
二度の世界大戦の戦場にもなっているため、記念碑や戦跡などがあり、他のエリアとはまた違った趣がある土地です。
アミアン Amiens
パリの北に位置するアミアンは、「北の小ヴェニス」と呼ばれる美しい街です。
13世紀に建てられたゴシック様式のノートルダム大聖堂は、フランス最大の大きさで、ユネスコの世界遺産に指定されています。
聖堂に向かって右側にある南塔は、14世紀に建てられたゴシック・レイヨナン様式、左側にある北塔はゴシック・フランボワイヤン様式で、左右非対称のつくりになっています。
「石の百科全書」と称されるファサードの彫刻群は必見です!
夏とクリスマスの時期に行われる音と光のスペクタクルでは、幻想的な世界が味わえます。
コンピエーニュ Compiègne
パリの北東に位置するコンピエーニュは、シャンティイからオワーズ川を北上した広大な森が広がる街。
歴史の重みを感じさせる街で、歴代のフランス王がこのコンピエーニュの森で狩猟を楽しみました。
またフランス王太子ルイ・オーギュスト(のちのルイ16世)とマリー・アントワネットの初めての対面の場となったのもコンピエーニュ。
コンピエーニュに魅せられたルイ15世は、夏の居城としてコンピエーニュ城の建設を命じます。
フランス君主制が生んだ最後の宮殿でしたが、主を迎える前にフランス革命が勃発し、城にあった調度品はすべて競売にかけられてしまいました。
一時は荒れ果てた城でありながらも、ナポレオン1世よって修築され、ナポレオン3世の時代になると、コンピエーニュ城の黄金期を迎えます。
現在、城内の一部が自動車博物館になっており、17世紀の馬車をはじめ、初期の自動車など乗り物を集めたコレクションが展示されています。
ピエールフォン Pierrefonds
コンピエーニュの森の南東に歴史的建造物に指定されているピエールフォン城。
小高い丘の上に佇み、中世の城を思わせる美しい外観は、誰もが見とれてしまうはず。
もともとこの城塞は、14世紀末にフランス王シャルル6世の弟ルイ・ドルレアンによって建てられました。
時代とともに廃墟と化してしまいましたが、ナポレオン1世が買い取り、それを受け継いだナポレオン3世の命により、パリのノートルダム大聖堂などを修復したことでもしられる建築家ヴィオレ・ル・デュックによって修築されました。
シャンティイ Chantilly
パリの北方に位置する競馬の街として有名な「シャンティイ」はクレーム・シャンティ(シャンティー・クリーム)の発祥の地としても知られています。
広大なシャンティイ森には、壮麗なルネッサンス様式のシャンティイ城が佇みます。
シャンティイ城は、川の水をひいて造られた人工池の上に浮かぶ美しい2つの城館「グラン・シャトー」と「プチ・シャトー」からなります。
1番の見どころは、シャンティイ城の最後の城主であったアンリ・ドルレアン(オーマル公爵)の膨大な数の絵画コレクション。
現在は、コンデ美術館として一般公開され、ラファエロの傑作「三美神」や「オルレアン家の聖母」、ボッティチェッリの「酔い」など貴重な美術品が揃います。
ヴェルサイユ宮殿の庭園を手がけた造園家ル・ノートルによるフランス式庭園、その北東部には、のちにマリー・アントワネットがヴェルサイユに造らせた村里のモデルとなった農村の疑似集落「ル・アモー」もあります。
シャンティイ城の隣には18世紀に建てられた大厩舎があり、馬術ショーや調教デモンストレーションを見ることができます。
150年以上の歴史をもつ大賞レース「ディアヌ・エルメス杯」は、大厩舎の隣りにあるシャンティイ競馬場で開催されています!
オー・ド・フランス(ピカルディ・カレー)地域の名物・郷土料理
ムール フリット(Moules-frites)
バケツいっぱいのムール貝と山盛りのフライドポテトを食べるのは最高!
フィセル・ピカルド(Ficelle Picarde)
アミアンの人気料理といえばフィセル・ピカルド。歴史はそれほど古くはなく、1950年にアミアンの料理人が考案したもの。
ハムとデュクセル(みじん切りにしたキノコ類や玉ねぎなどを炒めたもの)の入ったクレープ風のグラタンで、誰からも愛される料理。
ビール
フランスといえばワインですが、北フランスは、ベルギーと近いこともあってビールが好んで飲まれています。
珍しいのが、初のフランス製の青ビール、La BlueReide。ぜひ野菜や魚料理と一緒に試してみてください。
オー・ド・フランス(ピカルディ・カレー)のおすすめ土産
オードフランスのお土産なら、ビールとマスタードはいかがでしょうか。
ブリオッシュのガトー・バチュ(Gâteau Battu)やアミアンのマカロンも珍しくておすすめです。
その他、オードフランス地方に限らず、フランス全域で購入できる定番土産は「フランス旅行の人気定番お土産」にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
オー・ド・フランス(ピカルディ・カレー)の治安
オードフランスの中でもリールやランス、ヴァランシエンヌの一部の地域は治安に少し不安があります。
カレーも移民が多く、不安がる人もいますが、市内中心を観光するだけなら特段気にする必要はありません。
フランス全土に言えることですが、高価なブランド品を身につけたり、夜遅くに人通りの少ない場所へ行くのはおすすめできません。
日中観光するには問題ありませんが、車上荒らしなどもいるため、レンタカー旅行の際は荷物を置きっぱなしにしないよう十分注意してください!
特にスマートフォンは狙われやすく、マップなどを見て気を取られている隙にスリに遭遇します。
突然近寄ってきてスマホをひったくられるケースもありますので十分に注意しましょう。
ハイブランドを購入した後はメトロは使わずタクシーでホテルに戻るか、ショッピングバッグに入れ替えて移動することを強くおすすすめします!!
被害に遭ってしまうと精神的にもせっかくの旅行が台無しになってしまうので、旅行を楽しむために防犯対策はしっかりと行いましょう。
スリ対策の基本
このエリアに限った話ではありませんが、フランス旅行ではスリとの遭遇が日常茶飯事です。
万が一に備えて準備しておきましょう。
たとえば
- 海外旅行保険付帯のクレカを使う
- 現金は100ユーロ以下で基本クレカ払い
- 高くても治安重視でホテルをとる
などは必須レベルでおすすめしたいです。
海外旅行保険に入る
ことフランスに関しては、海外旅行保険は絶対に必要です。
毎月海外旅行へ行き、パリへ何度も渡航しているわたしですら、何度もスリに狙われました。未だに盗られていなのは運が良かっただけだと思っています。
ですので、どこの会社のどんなプランでも構いませんので、出国前にあらかじめ携行品保証が入っている保険に入っておきましょう。
わたしは、毎回入るのが手間なのと結構お金がかかってしまうという理由から、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを複数枚持って備えています。
海外旅行保険付きのクレジットカードを持っていない方は、ぜひこの機会に1枚作成されることを強くおすすめします。
特に、年会費無料で海外旅行保険自動付帯のエポスカードは作らない理由がありません。
(エポスカードというと一般的には“マルイのカード”というイメージが強いですが、実は年会費無料で海外旅行保険が自動付帯なのは他の無料カードにはない隠れた魅力。未所持の方は迷わず作って損はないですし、年会費のかかるカードに苦手意識がある方の選択肢はエポスカード一択です。)
→ エポスカードの保険の付帯条件や特典内容についてもっと詳しく
そのほかクレジットカードについては「フランス・パリ旅行に必携!現地で使えるおすすめクレジットカード」の記事で詳しく解説しています。
オー・ド・フランス(ピカルディ・カレー)の街をもっと楽しむ
フランスの偉人・芸術家ゆかりの地をめぐる
自分がフランスに行くとき、こんな記事があったらいいな…を形にしました。
大好きなゴッホ、ルノアール、モネを出発点に、フランス国内ゆかりの地スポットをまとめています。
オードフランス出身の著名人といえば、フランスを代表する画家アンリ・マティスがいます。
南仏のイメージが強いのですが、フランス北部のLe Cateau-Cambrésisで生まれ、Bohain en Vermandoisに移り住みます。
その他、「八十日間世界一周」「海底二万里」で有名なSF小説家ジュール・ヴェルヌはアミアンで暮らし、その家は現在博物館となっています。
ガイドブックは持っておいて損なし
ガイドブックはスマホやタブレットで読める電子書籍でも問題ありませんが、現地では情報の探しやすさ重視で、紙のガイドブックを1冊持っておくことをおすすめします。
フランス関連の書籍を20冊以上読んで厳選した中で、わたしたちがおすすめするガイドブックは地球の歩き方です。
ツアーガイドや旅慣れた人が購入するのはやはり地球の歩き方。
全579ページはもはやガイドブックというより教科書レベル。
内容もかなり充実しており、その国の文化、歴史、生活習慣なども理解できるため、旅の満足度が格段にあがります。
20年旅を続けて痛感していますが、まったく知識がない場所だと人はなかなか感動できないものです。背景を知って初めて心に響いたという経験が何度もあります。
パリやニース以外の地方都市の情報が詳しく載っているので周遊するには欠かせない1冊。
フランスのハイライトはもちろん、文化やアート情報、お土産屋グルメに関しても詳しく紹介されています。
現地で体調を崩した時や犯罪に巻き込まれた時の連絡先や緊急時の医療会話まで載せているのは本当に素晴らしいと思います。