みなさんはフランス人に対して、どのようなイメージをお持ちですか?
「お洒落」、「プライドが高い」、「自己主張が強い」など、さまざまなイメージがあるかと思います。
今回は、フランス人と国際結婚しパリ在住18年のライターが「実際のフランス人」について詳しくご紹介していきます!
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このページの目次
フランスの人種について
フランスは多人種・多文化の溶け合った国です。
日本人がイメージするフランス人は白人かもしれませんが実はそんなことは全くありません。
おおまかにフランスの人種を分けると、
- ケルト人
- ゲルマン人
- ラテン人
が大多数を占め、
- バスク人
- ユダヤ人
- アラブ人
- アフリカ人
- インド人
- アジア人
などで構成されています。
移民の長い歴史をもつフランスは、昔から多くの移民を受け入れてきました。
1960年代まではスペイン・イタリア・ポルトガル・ポーランドなどのヨーロッパ諸国から、
60年代以降に新たに増加したのが、フランスの旧植民地であったアルジェリア・モロッコ・チュニジアといったマグレブ諸国からの移民です。
1975以降には、華僑やベトナム人などがアジア系移民としてフランスに受け入れられました。
フランス人の国民性と特徴
日本人がフランス人に対して抱くイメージはいろいろとありますが、実際のところどうなのでしょうか?
ここでは、フランス人の国民性と特徴についてお話しましょう!
フランス人はお洒落?
数多くのファッションブランドを生み出し、世界的に有名なファッションショーのパリコレが開催されるフランスは、「モードの国」、「ファッションの発信地」といわれます。
そのため、多くの人がフランス人はお洒落なイメージを持っているようです。
では実際どうなのかというと、フランス人のお洒落は、日本人の考えるお洒落とは異なったもので、「自分に合ったスタイルにこだわるお洒落」なのです。
フランス人は人と同じような格好をすることを嫌い、自分の個性を引き出すことに長けています。
流行に左右されたり、洋服の枚数をたくさん持ったり、ブランドもので身を固めたり、化粧や髪型に時間をかけたりしません。
けれども自分に合った服装や色、メイク、髪型などにこだわりを持っており、そういったことでお洒落さをアピールします。
自分の好きなスタイルを追求するのは、若い人だけに限らず、特に40歳を過ぎてからのフランス人女性は、日本人女性のお洒落とは大きく異なってきます。
女性であることを常に意識し、露出度の高い服やカラフルな服を上手に着こなします。
フランス人がお洒落に見えるのは、自分をしっかりと持った独自のスタイルを貫く美的センスにあると思います。
フランス人は英語を話さない?
プライドの高い国民として知られるフランス人。
そのため「フランス人は英語を話さない!」というイメージをもたれているようですが、実際は違います。
外国人観光客の多いパリでは、空港や駅、ホテル、レストラン、カフェ、美術館などの観光地では、ほぼ問題なく英語が通じます。
フランス語が話せなくても困ることがないでしょう。経験上、英語で話しかけても嫌な顔をされたことはありません。
地方の観光地では、どこでも英語が通じるわけではありませんが、流暢に英語が話せなくてもジェスチャーを交えて観光客を対応してくれます。
もし英語を話すことに躊躇するフランス人がいたとしたら、それはフライドの高さからではなく、おそらく英語を話すことが単に苦手なだけなのです。
自国に強い誇りを持っている
長い歴史を持ち、華々しい芸術や文化を育んできたフランス人は、自国に強い誇りを持っています。
また「グルメの国」といわれるフランスは、食文化に対しても強いこだわりと誇りがあります。
とはいえ、フランス人が普段からレストランに出てくるような手の込んだ料理を食べているわけではありません。
ただフランス人は、親戚や友人などを招待してホームパーティをすることが多く、そんなときは前菜からデザートまでのフルコースがでてきます。
こういった場合、ホスト側がすべてをもてなすのではなく、みなで持ち寄って楽しみます。
ヴァカンスが好き
フランス人は週に35時間しか働きません。また年間で5週間の有給休暇があります。
フランスは「ヴァカンス大国」といわれており、夏は短くても2週間、長い人では1ヶ月以上のヴァカンスを取ります。
「フランス人はヴァカンスのために働く!」と言っても過言ではないくらい、フランス人にとってヴァカンスはとても大切なもの。
ところでフランス人のヴァカンスは、日本人のヴァカンススタイルとはかなり異なります。
1つの場所でのんびり過ごして楽しむのがフランス流で、スケジュール帳にびっしりと予定を入れることはまずありません。
ビーチに寝そべって本を読んだり、山でハイキングを楽しんだりとフランス人のヴァカンスの過ごし方は至ってシンプル。
食事も外食ではなく、ほとんどが自炊です。
とはいえ、フランス人のヴァカンスは2週間から1ヶ月間にも及ぶため、かなりの費用がかかります。
そのため日頃は質素に暮らし、ヴァカンスのために蓄える堅実な国民なのです。
フランスでは「お客さまは神様」精神は存在しない!
世界の人気観光国トップ3に必ず入るフランスですが、同時に観光客への態度の悪い国としても上位にランクインしています。
フランス人は観光客に冷たいとか、無礼な態度を平気でとるとよく言われています。
フランス人の接客態度が悪いのは、基本的に接客側と客は同等という考え方からきており、フランスには「お客様は神様」の精神は存在しません。
フランスでは、レストランでもブティックでも場所を問わず、客側から挨拶をするのが一般的。
まず店員やスタッフに「Bonjour」と挨拶をしましょう。挨拶をするのとしないのとでは、店員の態度が違ってきます!
「Bonjour」のあとに、Madame、Monsieur、Mademoiselleをつけるとより丁寧で好感がもてます。
- Bonjour, Madame.(⁼Mrs.既婚の女性向け)
- Bonjour, Monsieur.(=Mr.男性向け)
- Bonjour, Mademoiselle.(⁼Miss.未婚の女性向け)
くどいようですが、フランスでは挨拶がとても大切!
良いサービスを受けたければ、働いている人の機嫌をとるぐらいでないといけないのです。
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気分屋なフランス人
フランス人は気分屋です。
良く言えば、感情表現が豊かで、自分の気持ちに素直。
だからその日の気分によって、フランス人の態度が変わってきます。
気分が良いとにこやかなフランス人ですが、そうでないと無愛想になったり、失礼な態度をとったりと、公私を問わず感情をそのままに出す気質があります。
特に女性によく見られます。
時間にルーズ
もちろん人にもよりますが、15分遅れは日常茶飯事です。
そのため待たされる立場になったとしても怒る人はほとんどなく、時間におおらかです。
ただ、仕事上の約束や会議などの時間はきちんと守るようです。
逆に、ホームパーティに誘われた際には、時間通りに行くのはマナー違反で、10〜15分ぐらい遅れていくのが好ましいです。
ユーモア好き
フランス人はユーモアが大好き!
ただ日本人のユーモアとはちょっと違うので、それゆえに「フランス人は毒舌」といわれてしまうのでしょう。
フランス人のブラック・ジョークには、他国から見ると眉をひそめるユーモアもあり、そのため恨みを買い、襲撃事件にまで発展したものもあります。
自己主張が強い
自分の言いたいことは、はっきり言うフランス人。
この背景には、フランスの教育制度が大きく関係しています。
幼い頃から自分の意見をしっかり持ち、主張することを習慣にしているため、自己主張することは大切な文化なのです。
もともとおしゃべりが大好きな国民なので、人数が多いと収拾がつかなくなることもしばしば。
ただ面白いことに、激しく言い争っても、根に持たず、時間が経つとけろりとしているのがフランス人の良いところです。
個人主義
個人主義のイメージの強いフランス人ですが、良くも悪くもそのとおりです。
フランスでは、日本のように周りの目を気にして生活する必要はありません。
例えばフランスでは、ときどき「あれ?」と思うような格好をしている人を見かけます。
日本人は季節に敏感で、春になると明るめの色合いや軽やかな素材の服を選び、秋には暗めの服や羽織ものを選んで、季節感のあるコーディネートをします。
一方でフランス人はというと、「モードの国」にもかかわらず、季節感のない服装が目立ちます。
フランス人は、春だろうが夏だろうが自分が寒いと感じれば、冬用のコート着たり、マフラーを首に巻いたりします。
逆に寒い季節に暑いと感じれば、薄着で出かけ、人の目を気にすることはありません。
個人主義のフランス人は、相手の気持ちを考えず、常に自分の意見だけを主張する国民かといえば、必ずしもそうとは限りません。
他人には不親切なイメージをもたれるフランス人ですが、例えば、メトロでベビーカーを押して歩いている人が階段にさしかかると、そばにいる人がすぐに手を差し伸べてくれます。
また満員のバスに妊婦さんが乗ってきた場合、必ず誰かが席を譲ってくれます。
このように相手を思いやる心は、フランス人にもあるのです。
フランス人は絶対に謝らない!
何かあるとすぐに「すみません!」と謝ってしまう日本人。
一方で、たとえ自分が悪かったとしても必ず言い訳をして、謝ろうとしないのがフランス人です。
例えば、待ち合わせの時間に遅刻してしまった場合、日本人なら真っ先に相手に遅刻したことのお詫びを入れます。
けれどもこれがフランス人となると、「電車が遅れたせいで、待ち合わせの時間に間に合わなかった!」と第三者のせいにして言い訳することから始まります。
フランス人は言葉巧みに言い訳し、最終的には「わたしのせいではない!」と結論づけるのが得意です(笑)。
パリに住み始めた頃、通りを歩いていたときに、歩きたばこをしていた人の火が私の手に当たったことがあります。
思わず日本語で「熱い!」と言ったら、相手がすぐに気がつきました。謝ってくるのかと思ったら、「あなたが大きく手を振って歩いていたからいけないのよ!」と注意されました。
もちろん手を大きく振って歩いていたわけはありません。
完全に相手の不注意だったにもかかわらず、その若い女性は「自分には非がない」といった態度をとってきました。
今だったら、こういう人に対してフランス流に対応できますが、当時はフランス語力も乏しく、悔しい思いをした経験があります。
フランスはアムール(愛)の国って本当?
個人差はありますが、一般的にフランス人男性は褒め上手で、女性に対してよく尽くします。
フランス人の男性がロマンティックなイメージがあるのも、きっとそのためでしょう。
フランス人は、自分の気持ちを必ず言葉で伝えます。
日本では特別なことがない限り言わないような言葉を毎日何度でも言います。
フランス人はいつまでも相手を恋愛対象として見ているため、愛情表現は欠かせません。
それは子供ができてからも同じことで、子供をベビーシッターに預けて夫婦で出かけたりもします。
もちろん愛は永遠とは限りません。フランス人は相手に愛情を感じなくなると、さっぱりと別れてしまうのです。
婚姻率が低く離婚率の高いフランス
フランスの結婚の手続きは、日本に比べるととても複雑。
そのため近年フランスでは、結婚の代わりに事実婚をする人が増えています。
フランスには、パックス(PACS:連帯市民協約)という独自の制度があります。
結婚をしなくても、カップルとしての法的承認を受けることができ、会社保険の共同利用や共同の銀行口座が作れます。
また税制上でも婚姻カップルとほぼ同様の権利が得られます。
また離婚における手続きも、双方の同意があれば弁護士を通さず簡単です。
「愛の国」といわれているフランスですが、離婚率が40%と高く、パリではなんと50%を超えます。
そのため離婚や再婚の結果生まれた「複合家族」が多く、それを白い目で見る人はほとんどいません。
ちなみに私の友人や子供達の学校のお友達には、複合家族の人がたくさんいます。
複合家族とは、再婚によってできた新たな家族のこと。例えば再婚者同士が家族を作ったとしましょう。彼らには前の結婚で、それぞれ2人の子供がいたとします。
再婚により子供が一気に4人になり、再婚者同士の間に新たに子供が1人生まれると、7人家族という複雑な構成になります。
離婚率が高く、再婚率の高いフランスでは、こうした複合家族が非常に多いのです。
フランスでは何歳になっても新しいカップルを作る人が多く、それ故に愛の国といわれるのかもしれません。
まとめ
これらの特徴は、すべてのフランス人に当てはまるわけではありませんが、一般的にフランス人とはこんな感じです。
イメージされている通りのものもあれば、かなりギャップのあるものもありますね。
万人ウケするようなフレンドリーな国民ではありませんが、フランス人は自分に正直で、どこか憎めないところがあります。
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